sibafutukuri

ゲームの攻略情報・感想、音響系音楽、文学、アニメ、映画などについて書こうかなとおもっています。

2013-01-01から1年間の記事一覧

『かぐや姫の物語』

※以下の文章には作品のネタばれが含まれている可能性があります。 日が暮れたアスファルトの上。 仕事上がりでぴゅーぴゅーと冷たい風が吹く。 人が履くものと思えない固い皮に囲まれた靴の中の足はじんわり痛む。 師走、12月のもうなかば。 はやく帰りたい…

2013年11月の読書

2013年11月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2637ページナイス数:65ナイス この11月はKindle Paperwhiteを購入した月ということもあってか、いつもの半分くらいしか本を読めなかったな。Kindle PWではカフカの短編などをちょくちょく読んで…

Kindle Paperwhiteが届いた。(13.11.17 追記)

Kindle Paperwhite(ニューモデル)が届いた。 Kindle Paperwhite (第6世代) ―Wi-Fi出版社/メーカー: Amazon発売日: 2013/10/22メディア: エレクトロニクスこの商品を含むブログ (135件) を見る ■使ってみた感触 初タブレットで携帯でさえスマフォでなく未だに…

藤沢周 『幻夢』 - 現実と妄想のクロスフェード

幻夢作者: 藤沢周出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/08メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る 藤沢周さんの短編集『幻夢』を再読した。調べてみるとちょうど一年前の2012年11月に初めて読んでいた。 たまらず読み返したくな…

2013年10月の読書

2013年10月の読書メーター読んだ本の数:15冊読んだページ数:3369ページナイス数:112ナイス こうして並べてみると、最近はフィクションよりノンフィクションをよく読んでいる気がする。意識している部分もあるのだが。小説類ももっと読みたい気持ちはある…

2013年9月の読書

2013年9月の読書メーター読んだ本の数:14冊読んだページ数:3466ページ ■フィクション 刺青 (河出文庫―文芸コレクション)の感想 96年頃に書かれた中編。近親相姦、姉が亡くなったことでおかしくなり妹と姉を混同しがちな母親、家庭崩壊寸前。ここまでありが…

Ambient Mix Aug.2013

「Ambient Mix Aug.2013」 8月にMixcloudにアップしたアンビエントのDJミックスです。 2011年8月頃に作ったアンビエントセットがあったのだけれど、それはネットにアップせずにいた。 もったいないと思い、そのままでは工夫がないなと思って当時のセットを基…

2013年8月の読書

2013年8月の読書メーター読んだ本の数:14冊読んだページ数:3866ページ ■フィクション 太宰治賞2013 (単行本)の感想 受賞作以外は読みたいと思ったが読めなかった。受賞作「さようなら、オレンジ」は納得できる作品。これは芥川賞を受賞してもおかしくない…

「アンドレアス・グルスキー展」と「アメリカン・ポップ・アート展」

Andreas Gursky,Kamiokande,2007 アンドレアス・グルスキー展2013年7月3日(水)―9月16日(月・祝) 会場:企画展示室1E主催:国立新美術館、読売新聞社、TBS、TOKYO FM アメリカン・ポップ・アート展2013年8月7日(水)―10月21日(月) 会場:企画展示室2E主催:…

二度目の『風立ちぬ』 - フェミニズムとか愛国心とか

二度目のアニメ『風立ちぬ』を観てきたので、感想のツイートのまとめと追記。 昨晩、二度目の『風立ちぬ』を何度も居眠りしながら観てきたけど、やっぱりよかったな。動く動く。これだけ動くアニメーションは本当に珍しくて動き方も珍しくて、音響効果とか…

扇風機 扇風機 センプウキ

だらだらと汗にまみれながら下着一枚で、 昼食のどんぶり一杯のラーメンを居間で食べたあと、 猫と戯れたりと家のなかをうろうろしていた。 気づくと扇風機が三台あった。 しかも今、家じゅうで全てが回っていた。 北と南の部屋、それに猫の部屋。 猫の部屋…

扇風キ

扇風機が壊れてしまった。 カバーが元々外れていてものを、倒してしまい、 羽が一枚砕けてしまった。 砕けた羽を持った扇風機は、 ヘリコプターのパタパタみたいな音を立てて狂ってしまった。 くるくると回る羽がぼくに風を運ぶ。 ただ、それはちょっと弱い…

『風立ちぬ』を観た

かつて、日本で戦争があった。 大正から昭和へ、1920年代の日本は、 不景気と貧乏、病気、そして大震災と、まことに生きるのに辛い時代だった。 そして、日本は戦争へ突入していった。 当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか? イタリアのカプローニ…

2013年7月の読書

2013年7月の読書メーター読んだ本の数:20冊読んだページ数:5138ページ ■フィクション さだめ (河出文庫)の感想 AV業界の話なんだけど、これ読んでからというものAVや裸になりつつある女優を素直な気持ちで見られていないことに気づく。なんだか心に、街で…

天国で読書

攻略本だけ読んでゲームをした気になる。ガイドブックだけ読んで旅行へ行った気になる。 天国で、地上の人々の書いたものを読んで生きている気になる。でも、地上で私たちは死者の書いたものを読めない。実は死者より生身の私たちのほうが損をしている。 天…

行方

暑いけど扇風機がいらなかったりエアコンをつけたり、 蝉がたまに鳴いたり、猫が蝉やなにかの幼虫やカナヘビをいじめたり。 そんな夏の7月。 じつは、ぼくは曲を作ってもいてSoundCloudにたまにアップしている。 ここのところはほんと数カ月に一回程度だけど…

変態

変態。 しかし、変態とはなんだ? エッチとかエロとかの意味で。 誰が、どういう基準で決めるのだろう。 「変態」で辞書を引くと、 「正常でない状態」とか「変態性欲の略」とかあって、 そういう意味での変態だ。 美人に、一般的な、または定番的な美人に欲…

藤沢周 『さだめ』 - AV女優スカウトマン視点

さだめ (河出文庫)作者: 藤沢周出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/01/06メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (10件) を見る 藤沢周の『さだめ』を読んでいる。 河出文庫から出ている。 AV女優のスカウトマンが主人公という、悪趣味な…

2013年6月の読書

今回、「フィクション」と「ノンフィクション」という区切りを付けてみた。以前からそういう並べ方をしたいたけれど、明記はしていなかった。忘れていなければ次回からこれでやっていこうとおもう。 『ジョジョの奇妙な冒険』の作者の荒木飛呂彦さんによる…

アンビエント、そして音響

Mirrorアーティスト: Chihei Hatakeyama出版社/メーカー: Room 40発売日: 2011/09/30メディア: MP3 ダウンロードこの商品を含むブログ (1件) を見る ■Chihei Hatakeyama - Ferrum (Original Mix) [Room 40] Beatport 自分で作ったアンビエントは集中して聴く…

藤沢周 『幻夢』 - タケヤブヤケタ

幻夢作者: 藤沢周出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/08メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る キューブBの部屋から、ポテトチップスやサキイカの残った銀色のトレイと、グラスを運び出す。 残骸。残骸。 だが、それでも腹が…

2013年5月の読書

2013年5月の読書メーター読んだ本の数:14冊読んだページ数:3415ページナイス数:76ナイス 一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)の感想 絶望的で暗黒な監視社会の世界観に魅了される。物語というより学問というイメージで、社会学的な考察がよくなされてい…

『群像 2013年6月号』を傍らに、すこし文学の話

群像 2013年 06月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/05/07メディア: 雑誌この商品を含むブログ (3件) を見る ■物語との勝負? 『群像 2013年6月号』に群像新人文学賞が載っていて、今回は自分が応募した賞でもあるのでとりあえず小説受賞作の、…

眼鏡は私

眼鏡がなければ生活ができない。 雑誌は特に裸眼ではとても読みにくい。 判型が大きいとどうしても活字が目から遠ざかる。 なので、眼鏡を探す。 眼鏡がまず見当たらない。 見つけてもぼやけた視界で触れると床に落とす。 そういう時、眼鏡がなければ生活で…

2013年4月の読書

2013年4月の読書メーター読んだ本の数:24冊読んだページ数:6055ページナイス数:116ナイス 雪闇 (河出文庫)の感想シリアスでニヒルな、藤沢周作品としては珍しく典型的な純文学だった。現実から逃げ続けるような、里に戻っていくような。東京の不動産業の…

オディロン・ルドンと新宿西東

オディロン・ルドン「蜘蛛」 買い物に行こうと思い電車に乗った。 新宿に向かう途中で、 損保ジャパンのビルの東郷青児美術館で 「オディロン・ルドン展」をやっていることを思い出した。 紀伊國屋書店でもらった展示会の割引付きの ピンクの栞を持っていた…

渋夜

Oval - Australasia 仕事帰りに渋谷に行き、終電間際の満員電車に乗って帰ってきたのだけれど、不思議とアルコールは一滴も飲んでいない。それにもかかわらず、不思議と酔った気分だ。先輩と会話をして非居酒屋を二件梯子しただけなのだけれど。顔面や手の脂…

Matthew Robert Cooper - Miniatures ライナーノーツ書きました

新進レーベルの邂逅から4月17日発売のMatthew Robert Cooper(Eluvium)の“Miniatures”のライナーノーツを書かせていただきました。後藤芝生という名義で。Matthew Robert Cooperのちょっとした経歴やインタビューなどを載せています。 日本語で読めるEluvium…

2013年3月の読書

2013年3月の読書メーター読んだ本の数:7冊読んだページ数:2035ページナイス数:48ナイス 飢餓同盟 (新潮文庫)の感想コミカルでシュールでいて、シリアス。喜劇的に起きる悲劇。惨たらしく終わる群像喜劇。そういう奇妙な同居。森が来て、湯が上がると森は…

未来圏からの猫

光が影を作るのならば影を猫に換えてみよう 吹雪〔フキ〕はひどいしけふもすさまじい落磐 ……どうしてあんなにひつきりなし 凍つた汽笛〔フエ〕を鳴らすのか……猫や恐ろしいけむりのなかから蒼ざめてひとがよろよろあらはれるそれは氷の未来圏からなげられた戦…