目次
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- 近頃流行している獣人(じゅうじん)や人外(じんがい)
- 佐藤二郎が演じる獣人フラナガン
- なぜいきなり獣人が?
- ジブリの獣人キャラは多い?
- でもやっぱりフラナガンに違和感
- 変身魔法は最後に解けたのか
- マンブルチューク、ドクター・デイとフラナガンは昔馴染み?
- フラナガンには変身魔法がかかっている?
- フラナガンが元動物だとすれば納得がいく
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前回、『メアリと魔女の花』についてのおおまかな感想などを書いたのだけど、長くなりすぎたので、追加の疑問などをここで書きたい。
近頃流行している獣人(じゅうじん)や人外(じんがい)
獣人を好む人たちの呼称として「ケモナー」があったりと、近年獣人や人外娘などが流行っている。
既に流行はしたいけど『けものフレンズ』によって更に日本人のケモナー率が上昇したんじゃないだろうか。
最近流行っているというだけで、獣人や言葉を喋るキャラクターは児童文学やアニメなどに古くから登場する。
米林宏昌監督、スタジオポノック制作の『メアリと魔女の花』で一人だけ獣人キャラが登場したので、今回は『メアリと魔女の花』についてとジブリと獣人の関係、ということで書いていきたい。
佐藤二郎が演じる獣人フラナガン
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唐突に出てくる獣人フラナガンの声を佐藤二朗さんが演じているけど、ジブリ風世界観を壊しつつも唯一救いのある「笑い」を作品にもたらしていたように思える。全体的に暗鬱な雰囲気だから、良いキャラだった。
見た目はネズミとキツネを混ぜたような獣人。
佐藤二郎さんがサイトのコメントで「フラナガンは、魔法使いを育成するエンドア大学のほうき小屋の番人。口うるさいけど職人気質で生真面目で…というイメージで演じました。」と語っている。
なぜいきなり獣人が?
フラナガンは異世界に入ってエンドア大学に着いた直後に登場する。
いきなり獣人ということと、ジブリで獣人?っていう意外性はあったけれど、異界の入り口にいるキャラクターとしては分かりやすい。
でも、その後たくさん獣人が出てくると思いきや、全く出てこない。
「変身魔法」で奇妙な生物に変化させられた動物はたくさんいたけど。
ジブリの獣人キャラは多い?
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「宮崎駿によるジブリアニメ」というくくりでいうと、獣人キャラは全然いないんじゃないかと思っていた。
でも、探せばけっこういるか。
ポニョも獣人(どちらかと言えば人外)と言えばそうだし、『紅の豚』のポルコなど豚キャラはけっこう描いている。
実はトトロや猫バスも獣人要素がある。90%は獣で、言葉は喋れないけど子供たちと意思疎通はできているという点で10%は人っぽさがある。
宮崎駿さんによる絵本版の『もののけ姫』にはトトロと猫バスを足して割ってような「もののけ」が出てくる。
高畑勲さんの作品だと『平成たぬき合戦ぽんぽこ』が獣人キャラで代表的か。
かなりたぬき寄りで獣人度がけっこう高いけど。
あと、ジブリではないけどアニメ『名探偵ホームズ』の「人間」たちは人型の犬だ。
『名探偵ホームズ』では宮崎駿さんが映画版で監督をやったり、キャラクターデザインは近藤喜文さんが担当している。
近藤喜文さんは『耳をすませば』で監督、『もののけ姫』で作画監督を担当し次代のジブリを担えるような存在だったけど、若くして47歳で亡くなってしまった。
以下ネタバレあり
でもやっぱりフラナガンに違和感
上で見たように、ジブリ関係の作品まで含めれば獣人はけっこういる。
ジブリではなくても『アンパンマン』や『ハローキティ』のような子供向けアニメでは獣人が出てくるのが当たり前な風潮はあるのだけど。
遡れば、宮崎駿さんが影響を受けている手塚治虫さんの世界観もそうで、手塚さんが影響を受けたディズニーの世界観も獣人がふつうにいる世界だ。
でも、フラナガンのキャラクターには違和感がある。
初めて会ってフラナガンが獣人で喋ることに驚いていなかったり、結局なぜ一人だけ獣人なのか説明がなかったりして。
佐藤二郎さんの演技も、演出やキャラクターデザインも一人だけコミカルで、良くも悪くも浮いている。
なにか特別な理由がなければ、このフラナガンも結局米林宏昌監督が思いつく「ジブリらしさ」を脈絡関係なく繋いだだけの存在になる。
変身魔法は最後に解けたのか
物語のクライマックスで、「すべての魔法を解除する魔法」が発動する。
『もののけ姫』のシシガミが融解していくようでもあり、原子力発電所がメルトダウンするような描写で文明が退化していく。
ここで解除魔法を発動したのだけど、意外とその解除の範囲は広くないのではないかとおもう。
直後に魔法のほうきに乗って家に帰っていることもあってそうおもう。
また、フラナガンが魔法にかかっていたとしても、その魔法が解けていないのは範囲外にいたから、と言える。
マンブルチューク、ドクター・デイとフラナガンは昔馴染み?
フラナガンをほうきを持ってきてメアリを助けてしまったときに、ドクター・デイが「あいつは変わらないね」みたいなことを言っていた。
それ以上は物語で触れられていなかったけど、お互いに古くからの知り合いであるような意味深は描写だった。
まぁ、単純に大学の教授たちとほうきの番人として長い付き合いなだけかもしれないけど。
また、融通の利かなさはいかにも動物キャラっぽい思考に思える。
フラナガンには変身魔法がかかっている?
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・ひとりだけ獣人
・動物らしい融通の利かない思考
・教授二人と古い知り合い
という三つの点を鑑みると、自ずと一つの仮定にいきつく。
フラナガンは変身魔法で獣人の姿にされたのでは?という仮定。
おそらく、ネズミかキツネが素体で、中途半端な変身魔法をかけられて失敗した結果があの獣人姿なんだろう。
フラナガンが元動物だとすれば納得がいく
だからなんなの?という結論ではある。
でも、フラナガンが元々動物だったとすれば、一人だけ獣人で浮いているキャラクターである理由に納得がいく。