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「わたしは働くのが好きでな」(ジェハンおじいさん)

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  昼飯を食っていたら、キッズステーションで『フランダースの犬』(1975年)をやっていたから、二話連続で観てしまう。一話目の題名はわからないが、二話目は「おじいさんの口笛」だったと記憶している。


  牛乳運びを終えて絵を描く習慣のあるネロだが、その時間にジェハンおじいさんはとなり街(?)で野菜を売る仕事をする。それを知ったネロは街へ駆けつけて、「おじいさんが働いているのに、ぼくは絵を描いてるなんて」というようなことをいう。そうするとおじいさんは、「わたしは働くのが好きでな。それにネロには絵を描いて勉強していてほしいんだよ」といい、実際に楽しそうに野菜を売る仕事をしてる。その姿を見たネロは、仕事の邪魔にならないようにとパトラッシュとともに家へ帰る。友人らからおじいさんは仕事帰りには口笛を吹きながら歩いている、ということを聞き、ネロのなかでおじいさんが楽しくて仕事をしている、という言葉の信憑性が高まる。その後、おじいさんは疲労か病かで床に臥せるしまうのだった…(セリフはすべて記憶から引用)。


  このアニメは、原作の児童小説とは大きくことなっていることなどから、安易に高く評価ができないと思ってはいる。けれども、「おじいさんの口笛」の話のようなものを観てしまうと、観客の心をうまく惹くよくできたアニメだ、と思ってしまうのだ。それに、おじいさんの「働くのが好き」ということばや、10歳で学校には通えず仕事しなければならないネロを聞いたり見ていると、おもに「労働」を通して、自らの人生を考え直してしまう。おじいさんはこうも言っていた、「この歳になると、働けるのが嬉しくてな」。


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  世界名作劇場は、私がテレビを観るようになってからでも何度も再放送されているが、世代や、私の世代向けに作られてきたアニメ(例えばジブリアニメ)と比べてどうしても映像の質で劣っているから、あまり積極的に観ようとはせず、結果的に一つの作品を通して観たことがない。これは大変もったいないことだと最近は思っている。


  『フランダースの犬』に宮崎駿は15話に原画として参加しているだけだが(作画@wikiより)、彼自身や彼の周囲の大塚康生高畑勲などが携わった過去の作品などを、これからなるべく多く観ていきたいとおもった。世界名作劇場シリーズなら問題ないのだが、単品の作品などはその映像自体が手に入りにくいというのが問題だが。


  しかし、たまたま『長靴をはいた猫』(1969年)のDVDが地元のレンタル屋にあり、観ることができた。名作であった。特に、宮崎駿大塚康生が入り乱れて担当しているらしい(作画@wikiより)クライマックスの原画がすばらしい。これを観た人は、『天空の城ラピュタ』(1986年)の各シーンが頭に思い浮かばずにはいられないだろう。


作画@wiki - 宮崎駿
http://www18.atwiki.jp/sakuga/pages/363.html

フランダースの犬 vol.1 [DVD]

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