『LOOP8(ループエイト)』のキャラごとの神様&神話の元ネタや考察、解説 ※ネタバレあり
『LOOP8(ループエイト)』のキャラごとの神様&神話の元ネタや考察、解説などを書いています。
今のところニニ、コノハ、イチカ、テラスのみ。
気が向いたら他のキャラのことなども書くかもしれません。
その他に、OVERS Systemとニニの関係や国際宇宙ステーション”きぼう”との関連を考察しています。
※以下ネタバレあり
目次
- 『LOOP8(ループエイト)』のキャラごとの神様&神話の元ネタや考察、解説 ※ネタバレあり
- 目次
- ニニ(ニニギノミコト)
- コノハ(イワナガヒメ)
- イチカ(コノハナノサクヤビメ)
- テラス(アマテラスオオミカミ)
- OVERS Systemによってニニが送り込まれたか
- 二つの”希望(きぼう)”
- 情報のソースや出典について
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ニニ(ニニギノミコト)
・日本名は大山 太一郎(おおやま たいちろう)で、本名はノウス・ネモ。
今作の主人公で、葦原中つ高等学校に転校してきた1年生。
暮らしていた宇宙ステーション”きぼう”が<ケガイ>に襲われ、逃げるように地球へ降り立った。
なお、その襲撃で両親は死亡。
地球の文化に戸惑いながらも町の人達との交流によって少しずつ前を向いていくが、そこでは過酷な運命が待ち受けていた…。
全てを見透かす特殊な力「見鬼の才」の持ち主(公式サイトより)
・本名はノウス・ネモ。本作の主人公。
響きからして分かるとおり血筋はともあれ言語圏としては日本語外で生まれ、名前を与えられて育った。
宇宙ステーション生まれの宇宙人、という扱いになる。
ニニとは、国際宇宙ステーション標準語で何者でもない、新しいの略。
日本名は大山太一郎。
照子(テラス)の孫。祖父、父は日本側の記録にない。
(芝村裕吏氏による小説より。以下では”小説”と表記)
・CV.梶原 岳人
・宇宙暮らしが長かったため虚弱体質だったが、ファーストプレイでも何度目かのループのあとなので体力は人並みになっている。葦原中つに来てばかりの頃は、家まで自力ではたどり着けないほどでコノハが担いで連れ帰った。
・【元ネタの神様】
ニニギまたは瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)。天照大神(アマテラスオオミカミ)の子である天忍穂耳尊と高皇産霊尊の娘である栲幡千千姫命の子(つまり天照大神の孫)。天孫降臨の中心人物。
・【ニニギノミコトの親族】
祖母:天照大神 妻:木花開耶姫(コノハナノサクヤビメ) 息子:火折尊(ホオリ、彦火火出見尊)
・ゲーム内でテラスが祖母なのは神話の元ネタになっている天照大神がニニギノミコトの祖母だからであり、ホオリがニニを父&イチカを母と呼んでいるのは、ニニギノミコトの子供の一人がホオリの元ネタである火折尊だから。
・ニニギノミコトは多くの名前を持つ神だが、「あまつひこ」(天津日高)は神をたたえる美称であり、高天原(高天ヶ原、たかあまはら、たかまがはら)と関わる神であることを示す。
・【天孫降臨】
天孫降臨とは、天孫の邇邇藝命(ニニギノミコト)が、高皇産霊尊(タカミムスビ)の意向によって、もしくは天照大御神(アマテラスオオミカミ)の神勅を受けて葦原の中津国を治めるために、高天原から筑紫の日向の襲(くまそ)の高千穂峰へ天降ったことを言う。
邇邇藝命は天照大御神から授かった三種の神器をたずさえ、天児屋命(アマノコヤネノミコト)などの神々を連れて、高天原から地上へと向かう。途中、猿田毘古神(サルタヒコノカミ)が案内をした。『記紀(古事記と日本書紀)』に記された日本神話。
コノハ(イワナガヒメ)
・本名は大山 木葉(おおやま このは)。
今作のヒロインで、葦原中つ高等学校の1年生。ニニの遠縁にあたる人物で、現在は色々あって一人暮らしで家事をこなしながら高校生活を送っている。
母性の塊のような性格で、急に家へ引っ越してきたニニに対してもさっそく世話を焼いている。
先祖は代々神社の神官だが、小さい頃に巫女に選ばれなかった過去を持つ。(公式サイトより)
・本名・大山木葉。優等生だがマイペース過ぎる本作のヒロイン(たぶん)
順応性、適応性が異様に高い。
というのは大山の血かもしれない。 ニニや照子にもそういうところはある。(小説より)
・CV.和氣 あず未
・コノハから見たら、ニニは従甥。ニニから見たら、コノハは従叔母。
・コノハが姉で、妹はイチカだと思われる。
・コノハは葦原中つ町に流されてから長い。神討ちの巫女として育てられたが、適合する神があまりよくなかったらしい。
・ニニがループすることに気づいてる?二周目以降に「また会ったね」、「また仲良くしようね」と発言する(8月1日)。
・【大山家】
コノハの実家。
鹿児島にある巨大な神社で神討ちの巫女の育成機関でもある。
コノハは神討ちの巫女として育てられたが適合する神降ろしの神がいなかったため、配流された。(小説より)
・「コノハ(木葉)」という名前は偽名。妹と思われるイチカに降ろされたコノハナノサクヤビメから名前を取っていそう。素顔は実は醜いらしく、テラスの術でゲーム中の綺麗な顔になっている。
・コノハの素顔をニニは見鬼の才で見ている可能性がある。だが、コノハはニニが見鬼の才を使っていないから好きでいてくれていると思っている。ニニはベニの本当の姿=狐娘を常に見ているので、見鬼の才の使い分けを意図的にしていないのであれば、コノハの素顔を見ていることになる。
テラスも「マゴマゴくんの目には全てが見えてしまうだろうから、さぞ醜く映ってるんだろう」と言っている。
・【元ネタの神様】
コノハの元ネタは石長比売(イワナガヒメ)。石長比売は木花開耶姫の姉。木花之佐久夜毘売とともに天孫邇邇芸命(ニニギノミコト)の元に嫁ぐが、石長比売は醜かったことから父の元に送り返された。「ニニくんは、私が醜いから帰れとか言わない……」。
・大山木葉やテラス、ニニの姓である「大山」は、イワナガヒメの父である大山津見神(オオヤマツミ)などに由来していそう。
・ニニが大山家から迫害されている背景は、神話上で大山津見神から差し出された片方のイワナガヒメを拒否して恨まれたエピソードと重なる。
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イチカ(コノハナノサクヤビメ)
・本名は朔夜(いちか)で名字は無し。
ニニと同じく、葦原中つ高等学校に転校してきた高校1年生。
課せられた大いなる使命を全うするため、周囲には理解されずに孤軍奮闘している。
実は世間知らずの超が付くお嬢様で、対<ケガイ>の切り札として英才教育を受けてきた「神討ちの巫女」と呼ばれる巫女にして戦士。
いっぽうで世間一般には疎く、かなりの不思議ちゃんと思われているところもある。(公式サイトより)
・朔夜とは月のはじめのこと。転じてついたち。 そこからさらに転じて人名としてイチカと読む。(小説より)
・CV.古賀 葵
・【元ネタの神様】
イチカの元ネタまたは降りている神は木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ、神阿多都比売)。姉はイワナガヒメ(コノハ)。夫はニニギノミコト(ニニ)。息子の一人にホオリノミコト(ホオリ)がいる。
・『古事記』による本名は「神阿多都比売(カムアタツヒメ)」で、「阿多(アタ)」は鹿児島県南さつま市から野間半島にわたる地域、また薩摩国(鹿児島県西部)にちなむ名。作中で、大山家が鹿児島にあることと重なる。
・名前は一般的には植物と関連づけられている。神阿多都比売の名義は「神聖な、阿多の女性(巫女)」とされ、木花之佐久夜毘売の神名の「木花」は木花知流比売と同様「桜の花」、「之」は格助詞、「佐久」は「咲く」、「夜」は間投助詞、「毘売」は「女性」と解し、名義は「桜の花の咲くように咲き栄える女性」と考えられている。
・作中のコノハの衣装に花柄(桜)が散りばめられていたり、髪飾りも花の形なのはこの神を意識してのことだろう。
・小説では、イチカに降臨した神は攻撃的かつ威圧的。人や刀を浮かせる超能力(神力)を使っている。葦原中つ町でテラスと遭遇した時には神力を使った戦闘を繰り広げている。
・イチカがテラスと遭遇した際に、マインドコントロールを和らげる術を使われた。イチカがかかっているマインドコントロールは、大山のものだと思われるが、中身=神との意識を分離させる効果もあったのかもしれない。テラスの術で、まるでロボットのようだったイチカに人間味が多少は出てくるようになったか。
テラス(アマテラスオオミカミ)
・本名は大山 照子(おおやま てるこ)。
ニニをマゴマゴくんと呼ぶ。年齢は29歳で若く見えるが、実はニニの祖母である。
その理由についてテラスいわく、「ニニが住んでいた宇宙ステーションは時間の流れが違うため、夫と娘を宇宙に送り出して2年でこんなことになってしまった」とのこと。
大山家の当主の姉で元はコノハと一緒に住んでいたが、今は町をぶらぶらしているキャンパーとなっており、仕事はしていないようだ。(公式サイトより)
・CV.種﨑 敦美
・【元ネタの神様】
元ネタは天照大神(アマテラスオオミカミ、天照大御神)。この神の名前から取って照(てらす)→照子(てるこ)なのだろう。太陽神なので光で”照らす(テラス)”、という連想もありそう。ニニギノミコト(ニニ)の祖母であったりと、元ネタは天照大神だと推測できるが、テラスに降臨している神が同一なのかは不明。
・テラスは強力な神力を持っていてゲーム中でも最初からステータスが高い。だが、戦うことを好まない、あるいは戦わない神と言われていてゲーム中でも戦闘メンバーにはならない。小説でイチカの攻撃を防ぎきるほどの能力がることが描写されている。
・アマテラスオオミカミは、「記紀」においては、太陽神の性格と巫女の性格を併せ持つ存在として描かれている。太陽神、農耕神、機織神など多様な神格を持つ。
・「神が取り憑いている、10年くらいの付き合い、昔は大変だった」とゲーム内で発言している。
・大山家最高の巫女候補だったが飛び出して恋愛結婚して子までもうけたので配流された。
・テラスは、宇宙ステーションで暮らせるようになるほどのエリートと恋に落ち、娘が生まれた。その娘はニニの母親にあたる。宇宙ステーションがケガイに襲われて夫と娘を失った。
・宇宙ステーションと地球では時間の進み方が違うため、ニニが高校一年生くらいの年齢にも関わらず、29歳のテラスが祖母になっていると言われている。時間の速度の違いというよりは、地球だけ何度もループしていたことが影響していそう。
・国際宇宙ステーション”きぼう”では、「時間と空間を越えるための技術開発をしていた」という情報もある(小説より)。時間操作などの技術が完成していたのであれば、その影響で地球と違う時間の流れになっていた可能性もある。
・テラスはループ能力(時間操作能力)を持っている。大神たちはいずれもループ能力を持っている、らしい。アマテラスオオミカミも大神だろうから、その能力によってテラスもループ能力を使えるのかもしれない。
・ムササやサンショウウオと会話できる。
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OVERS Systemによってニニが送り込まれたか
OVERS Systemによって葦原中つ町に送り込まれたのがニニ、か。
※OVERS Systemは、『ガンパレードマーチ』などの芝村裕吏氏が関わる作品に登場する(裏設定的な)プログラムのこと。
いや、ニニでもあるがニニというよりゲームをプレイするプレイヤー。
決戦存在。
決戦存在としてのプレイヤーが世界に介入する。
決戦存在 (けっせんそんざい)
1.人類の決戦存在を人類の決戦存在という。人類以外の決戦存在も存在する。
2.LOOP8では各種族の代表として種族の存亡を賭けた戦いに登場する存在を指す。別世界では神と呼ばれる場合もある。
テラスが何度もループしても解決できなかった問題。
その問題は、決戦存在であるプレイヤー=ニニによって解決へと向かう。
プレイヤーもまたゲーム内世界からすれば異界の存在。
ニニだけでは解決に至らず、ニニをプレイヤーが操作(介入)することで解決に向かうんだろう。
高天原にケガイが侵攻することを食い止めることもでき、ループを止めることもできる。
「この介入とは、介入先の世界の住人の体を乗っ取って憑依することであるが、それには条件が有り『生きている人間には介入できない』というものである。」
(OVERS_Systemとは (オーヴァーズシステムとは) - ニコニコ大百科、より)
「国際宇宙ステーション”きぼう”
名前は"きぼう"。宇宙ステーションとは名ばかりの宇宙船。
本来は生存者なし、全員死亡している。
ケガイから逃げるために作られたとされている。
時間と空間を越えるための技術開発をしていた、とも。」
(小説より)
国際宇宙ステーション”きぼう”で唯一の生存者とされているニニ。
だが、OVERS Systemが介入できるのが死者のみという設定もあるらしいことや、小説の「本来は生存者なし」という文言から、ニニは実際は死んでいる(一度は死んだ)と考えられる。
他のキャラクターは葦原中つ町へは「流された」という表現をすることが多いが、実はニニ=プレイヤーに限ってはOVERS Systemに決戦存在として選ばれて、「希望」を託されて葦原中つ町に派遣された存在なのではないか。
世界を救う「希望」を背負って。
二つの”希望(きぼう)”
OVERSsystem。
それはずっと待ち続けていたのだ。
これからもずっと待つだろう。
その真の名前は希望である。
(小説:マキナ |After「パッパラパー辞書を生成します」より)
「this Omnipotent Vicarious Enlist a Recruit Silent System」。
OVERS・SYSTEM。
「それは 全能の 代理 を徴募せし 物言わぬ 機構」。
超える者。
セントラルワールドタイムゲートに生息する巨大な意識体。
名は「希望」。
バルカラル語のオーヴァス(希望)が語源とみられる。
七つの世界でただひとつ、世界が幸せになる夢を見るプログラム。
ニニが暮らしていた国際宇宙ステーションの名前は「きぼう」。
そして、OVERS Systemのもう一つの名も「希望」。
この二つのリンク。
この二つの”希望(きぼう)”の繋がりを知った瞬間、ビビッと電撃のようなものを胸に受けた方もいるのでは。
芝村氏はOVERS Systemに二つ名である「希望」を意識して、意図的に国際宇宙ステーション”きぼう”をこの『LOO8』の世界に登場させたのだろう。
ご存じの方もいるであろうが、国際宇宙ステーション”きぼう”は現実世界に実在する。
きぼう(KIBO)は、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が開発した日本の宇宙実験棟で、国際宇宙ステーション (ISS) を構成する部位の1つ。
(「きぼう」のつくり | JAXA 有人宇宙技術部門、より)
”きぼう”が実在するのはわかったが、では現実世界で物語の舞台である1983年には宇宙空間に存在したいたのだろうか?
「日本が宇宙ステーション計画への参加を決めた1985年に当時の宇宙開発事業団(NASDA、現JAXA)を中心に開発が始まり……」
「スペースシャトルで3回に分けて打ち上げられ、2009年7月19日に24年の歳月をかけ完成した」(以上、Wikipediaより)
ということなので、現実では1983年に”きぼう”は開発すら始まっていなかった。
物語内ではいろいろと科学の発展が早いので意外性はないが、そこは昭和後期くらいという時代設定が決まってから”きぼう”を登場させようと決めたなどで、現実よりかなり早く(少なくとも約25年も)宇宙空間に存在することになっているのだろう。
現実の”きぼう”は、「宇宙実験棟で、国際宇宙ステーション (ISS) を構成する部位の1つ」にすぎないが、作中では独立した宇宙船のように描かれている。
情報のソースや出典について
このページに書かれている情報源は、ゲーム内、公式サイト、芝村裕吏氏によるウェブ小説「A Summer Day」、ウィキペディア(神についてはほぼここ)などです。それらの中から引用したり、それらの情報を基に文章を構成したりしています。
「LOOP8(ループエイト)A Summer Day」公式WEB小説サイト
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