『いまを生きる』という作品は、二ール・ペリーという高校生の立場から見ることもできるし、その親の立場から見ることもできる。それをどう見るかは、読者の意識に強く左右され、中学生や高校生くらいの学生という社会的立場に属する者であれば、二ールに感情移入をすることが多いだろう。かつての私がそうであった。
けれども、「いまを生きろ」というのは前途の弊害にしかならない戯言であり、なによりも学問を究めよりよい社会的権威を手に入れるべきだ、という二ールの父親からの立場に立つことも可能である。私のなかに、こちらの現実主義的意識は沸々と表れ始めていることが、大変悔しくもあり、成長―進化―老いがあったと実感する。
どちらがいいとかわるいとか、そういう二極にあてはめることはやはり困難であり、だからこそ沁み入るものがあるのだろう。
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