sibafutukuri

ニュース、音響系音楽、文学、アニメ、映画について、ゲームの感想、攻略などについて書こうかなとおもっています。

宮沢賢治作 「犬」 三、先行文献と参考資料

スポンサードリンク

三、先行文献と参考資料



参考文献1a 『賢治の事務所』、「「犬」の創作 1922(大正11)年9月27日」

「犬」の創作 1922(大正11)年9月27日
(http://www.bekkoame.ne.jp/~kakurai/kenji/history/h4/19220927.htm)


■『春と修羅』の中に「犬」と題された詩があります。一見すると天文とはまったく無関係な詩ですが、よく注意してみると星座との関連を思わせる部分があります。

詩『犬』(省略)

■この詩は、賢治が犬に吠えられた時の体験がもとになったと思われます。しかしながら、この季節の夜明けには「おおいぬ座」「こいぬ座」が東の空からのぼることに関連して、「なぜ吠えるのだ 二疋とも/吠えてこつちへかけてくる」という部分、時間としても夜明け方であり、時間の経過とともに消えて行くようすについては、「その薄明の二疋の犬」「犬は薄明に溶解する」によく対応しています。



参考文献1b 『賢治の事務所』、「賢治の『犬』と『キメラ』」

賢治の「犬」と「キメラ」
(http://www.bekkoame.ne.jp/~kakurai/kenji/history/w2/kenjiw10.htm)


■賢治の詩に登場する「犬」の星座と「キメラ」のかかわり
 賢治の創作した詩「犬」(春と修羅)及び詩「〔はつれて軋る手袋と〕」(春と修羅第二集)に、「キメラ」ということばが用いられています。 (中略)

 これら二つの詩を創作日付け及び、詩の情景に留意しつつシミュレーションしてみると共通の事項があることに気付きます。詩の詠まれる時間に、共におおいぬ座(こいぬ座)が見え、賢治の視線の方向にあります。この事項に留意しつつ詩の創作を考えてみましょう。表にまとめましたので、見て下さい。

『犬』(春と修羅)

■1922年9月22日4時25分(日の出60分前)の東の空です。星座からヒントを得て書いたと思われる部分があります。(参考資料)
■「なぜ吠えるのだ 二疋とも/吠えてこつちへかけてくる」(東天からおおいぬ座こいぬ座が日周運動で昇ってくる様子を示している)
■「その薄明の二疋の犬」(薄明の東天におおいぬ座こいぬ座が見えている)
■「犬は薄明に溶解する」(薄明のため、見えている恒星がしだいに減り、星座はだんだんと「溶解」するように消えてゆく)
■実際の詩の中では、賢治が犬に吠えられる様子が犬の具体的な描写とともに描かれていますから、全て星座を見て創作したというのではなく、賢治の実経験との融合という立場考える方が自然だと思われます。
(中略)
続いて、キメラと犬との関連ですが、詩「犬」の方では「それは犬の中の狼のキメラがこわいのと」と、犬の中に存在する「狼」のキメラに対する恐怖を詠んでいます。すなわち、賢治の中では、キメラの象徴的存在として、犬が位置付けられていると考えられます。この事柄を裏付けるものとして補足してみましょう。
 まず、おおいぬ座から狼を発想するヒントとして、賢治の天文知識があげられます。おおいぬ座の1等星シリウスは全天で一番明るい恒星であること(詩「東岩手火山」 では「冬の晩いちばん光って目立つやつです」と記述)、はもとより、中国では天狼星と呼ばれていたこと(童話「ポランの広場」) を知っていたことに由来するものと思われます。(詩「発動機船 第二」にも「シリウス」として登場) 天狼星(てんろうせい)という名前は、その星の輝きを、天のおおかみの眼の輝きに例えたということに由来しています。こうした知識が「犬の中の狼」を発想させたのではないでしょうか。(中略)

 こうしてみると、少々大胆な発想ですが、

「賢治の眼前の風景」→「おおいぬ座(こいぬ座)」→「シリウス(大犬の眼→天狼星)」→「キメラ」
という発想の流れが、賢治の実体験に重なって、詩の創作に影響を与えたとするのも一考ではないでしょうか。
 また、シリウスという名の語源は、ギリシャ語のセイリオス(「輝くもの、焼焦がすもの」という意味)をローマ文字に書写したものとされます。ところが、賢治の場合は「おおいぬ座の眼」としてのシリウスを引用しています。これは、賢治が明るい星を「眼」としてとらえる感性を持っていた(草下英明著「宮沢賢治と星」)とする論考にも関連し、非常に興味深いことです。事実、「冬のスケッチ」四一では「(大犬の青き眼いまぞきらめきのぞくなれ。)」とこのシリウスをはっきりと眼としています。(後略)

1996,10,15

■注
(1)原子朗編著「宮澤賢治語彙辞典」東京書籍
(2)入沢康夫著「宮沢賢治 プリオシン海岸からの報告」東京書籍
(3)天沢退二郎編「宮沢賢治ハンドブック」新書館

参考文献2 「星をどのくらいえがいたか」(割愛)
参考文献3 「混成怪獣キマイラと宮沢賢治」(割愛)
参考資料4 一九二二年九月二十日 四時二十五分の南の空




宮沢賢治作 「犬」 四、連ごとの分析
http://d.hatena.ne.jp/sibafu/20100605/1275664933




■リンク
宮沢賢治作 「犬」 一、作品

宮沢賢治作 「犬」 二、語釈

宮沢賢治作 「犬」 三、先行文献と参考資料

宮沢賢治作 「犬」 四、連ごとの分析

宮沢賢治作 「犬」 五、鑑賞と感想

宮沢賢治作 「犬」 六、参考文献・資料

  スポンサードリンク