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【ネタバレ】大金を費やしてバカをやる映画 - 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』レビュー・感想

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【ネタバレ】大金を費やしてバカをやる映画 - 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』レビュー・感想

12月20日公開の映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(エピソード9)を観てきた。

部分的なあらすじとレビュー・感想を書いていきます。

「真面目にバカをやってる」というような表現があって、これは誉め言葉にも使われたりする。

でも、この映画は「大金を費やしてバカをやるクソ映画」というマイナスの意味でそう表現したくなる。

期待はしてなかったけど、観ている途中、観たあとに不快感を伴う映画だった。

※ネタバレを含む

 

最後のジェダイ』(エピソード8)と、11月15日に発売された『STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー』のレビュー・感想を下記の記事に書きました。

 

 

目次

 

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【ネタバレ】あらすじ - 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

・カイロ・レン(ファースト・オーダーの最高指揮官)がパルパティーンの隠れていた星に着く

・パルパティーン「スノークは自分が見せた幻」、「私は死んでいる」

・パルパティーンは手下たちとともに膨大な数の戦艦を建造していた。「ファイナル・オーダー」と名乗る組織

・レンはパルパティーンの指示に従うことになる

・パルパティーンはレイを殺したがっているが、レンはレイは仲間にしようとしている(最後まで)

・レイはパルパティーンの孫

・レイやポー・ダメロン、フィンたちはパルパティーンの星にたどり着くためのレーダーとなる石を探して冒険する

・レイアはちょくちょく出てくる(演じているキャリー・フィッシャーはすでに亡くなっている)

・ローズもちょくちょく出てくるがあまりでしゃばらない。セリフは少しある

 

・レイたちは、レーダーの石を取りにデススターの残骸に到着

・デススターの残骸でレイとレンが戦い、レイアが送ったメッセージでレンに隙ができたことでレイが勝つ

・レイがレンのお腹にライトセイバーを突き刺すが、レイのフォースによる治癒能力でレンは生存

 

・いろいろありながらも、レイがパルパティーンのもとにたどり着く

・パルパティーンはレイに自分を殺させて、新たな女帝として君臨するよう命じる

・レイは反発、助けに来た丸腰のレンにライトセイバーをワープさせて渡す

・歯向かったレイとレンは、パルパティーンの電撃のようなフォースで倒される

・レンは穴に吹っ飛ばされる

・パルパティーンの電撃でレイはやられそうになるが、2本目のライトセイバーをクロスさせて電撃を跳ね返す

・パルパティーンは消滅する

 

・力を使い果たしたせいかレイは死ぬ(あるいは瀕死)

・レンが穴から這い上がってきて、レイをフォースの治癒能力で治す

・レイとレンがキスをする

・レンが死んで消滅する

・ラストシーンでは、レイが通りすがりの老婆に名前を聞かれて「レイ・スカイウォーカー」と名乗る

 

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フォースがなんでもあり過ぎてどうでもよくなる

前回の『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』からフォースチャット的な、フォースでの遠距離会話があったり、レイアが宇宙遊泳したりしていた。

今作でもフォースチャットは出るけど、チャット中に相手の物を奪ったり相手に送ったりもできる。

フォースによって、死んだルークやハン・ソロが出てきたり、Xウィングを動かしたりまでする。

パルパティーンは死んでるのか生きてるのかわからないけど、死んでるのだとしたらフォースで現実に干渉できる力がかなり強い。

また、今作でレイとレンは何度もフォースチャットをしてライトセイバーの剣戟までする。

レイはおそらく今作で初めて、フォースによる治癒能力を使う(いままでの『スター・ウォーズ』作品で治癒能力は見たことがない)。

さらに、フィンはフォースで目的の場所がわかると言うなど、なんでもフォースで解決できそうに思えきてどうでも良くなってくる。

 

物語の都合でレイが弱くなったり強くなったりする

前作で一応ルークに修業してもらったりと、かなり強くなているはずのレイ。

でも、序盤でレイアにルークのライトセイバーを返して、砂漠の場面ではスピーダーで追ってくるストームトルーパー相手にライトセイバーもフォースも使わず苦戦。

そして、スピーダーから放り出されて流砂に足を取られてポーたちと一緒に砂漠の下に落ちる。

なんでフォースを使って自分や仲間を浮かせたりしないのか謎だけど。

砂漠の下に落ちて、暗い空間でどうやらもう1本持っていたらしいライトセイバーを懐中電灯代わりに使い始める。

※見逃していたけど、レイアからすぐライトセイバーを返却されたらしい

さっきなんでライトセイバー使わなかったかも謎。

さらに、ケガした巨大蛇の傷を癒すフォースまで使い始める。

 

次に、砂漠にレンが到着して、タイファイターで襲ってくる。

レイは、さっきまで雑魚のストームトルーパーに苦戦していたけど、生身でタイファイターを破壊する。

また、レイは逃げていくファースト・オーダーの補給船をフォースで食い止めることがでできるほどの力を発揮する。

それだけのフォースを使えるなら、流砂になんて落ちずに済んだろうに……。

 

最終作でありながらキャラの人材不足が甚だしい

「スター・ウォーズ」シリーズの9作目となった『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』。

キャッチコピーは「スカイウォーカー家の物語がついに完結」というもの。

一応の最終作ということだけど、キャラクターたちの人材不足感が物凄く目立つ。

カイロ・レン(ベン・ソロ)はファースト・オーダーの最高指導者という立場に成り上がったけど、新3部作最終作にして未だに小物感が漂っているし、結局ラスボスではなく裏切る側の人間なわけで。

レイが最後の希望で、最後のジェダイみたいに言われているけど、パルパティーンの孫という設定も取ってつけた感があって、素質はあるけどジェダイとして全然洗練されているように見えない。

レイアが死んで、ポー・ダメロンがレジスタンスの将軍になるというのもやっつけ感がある。

パルパティーンがラスボスになったけど、新3部作で全く出てこなかったにもかかわらず、いきなり出てきてラスボスっていうのも説得力がない。

しかも、油断していて孫のレイに倒される。

 

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『最後のジェダイ』から舵を切り直したけど結局駄作に

『最後のジェダイ』(エピソード8)は酷い出来だった。

『フォースの覚醒』(エピソード7)も好きではないけど、リバイバルとしてやりたいことはなんとなくわかる映画だった。

でも、『最後のジェダイ』でそれを全て投げ出してそのまま続編を作っても絶対にウケない路線に持っていった。

その『最後のジェダイ』からすると、『スカイウォーカーの夜明け』は良い方向に舵を切り直したと言える。

それでも、『最後のジェダイ』を間に挟んだせいでいろいろと台無しになっているし、新たに書かれた脚本もおかしい出来になっていて結局駄作になっている。

レンがジェダイ側に寝返る、というのはそうすべきだった方向性だと思うけど、今更やってもなーという感じがある。

レンが寝返ってレイたちの仲間になるなら、本当は前作でやっておいた方が良かったんじゃないかな。

 

恋愛方面でブレブレに

前作でフィンとローズがくっつきそうになったわりに、この二人(特にローズ)が不評だったから、今作でフィンがレイと新たに登場した黒人女性のジャナにちょっかいを出すなど、ブレブレになっているのも印象が悪い。

フィンは、今作ではレイのことを想っているんだろうけど、元ストームトルーパーのジャナとくっつきそうな雰囲気も出している。

そして、ローズのことはただの仲間くらいにしか見ていない。

フィンとローズはどうにもなってほしくないけど、レイもフィンも恋人や片思いの相手が不在だったりすることで、ロマンス方面でブレブレになっているのが物凄く中途半端。

このロマンス方面でブレているのは前作の影響もあるんだろう。

レイが、最後の最後まで恋愛について無頓着で興味がないキャラみたいになっていて不自然。

最後に死に際のレンとキスをするところは、映画としては定番だけど、やはり唐突という印象もあるから見ていて気分がよくない。

 

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「スカイウォーカーの夜明け」の意味とは

サブタイトルを「スカイウォーカーの夜明け」とするなら、カイロ・レンが裏切り、そして生き残ってジェダイになるという方向性の方がまだ納得できた。

カイロ・レンは、以前はベン・ソロと名乗っていたようだけど、母親がレイアだからスカイウォーカーの血を継いでいる。

でも、実際にこの映画でやったのは、パルパティーンの孫という全く関係ない人間であるレイに「レイ・スカイウォーカー」と名乗らせたこと。

なにが「スカイウォーカーの夜明け」(原題:The Rise Of Skywalker)だよ、とバカバカしく思えてくる。

 

ルークやレイアというスカイウォーカーの意志を継いだ者という意味で、レイはその名にふさわしいとは言えるけど。

そんな無理やりサブタイトルにまでしてやることなのか疑問。

しかも、作中で不自然にモブキャラがレイに「名字(ファミリーネーム)は?」と聞くシーンが2度ある。

人間だけでなくチューバッカやジャバ・ザ・ハットみたいな生物がいる宇宙の物語で、わざわざ名字を聞くのか?

そんな壮大なスペースオペラな話であるにもかかわらず、レイが名字がないことにこだわったり、物語が結局ダースベイダー(アナキン)やパルパティーンという旧作のキャラたちの系譜で作られているというのもしょうもない。

「血筋なんてどうでもいい」というような、「スター・ウォーズ」ファンにケンカを売るような主張をしたのは前作だけど。

こんなに無理やり、雑でなおかつ乱暴に血筋を結び付けても観ているこっちとしては呆れるだけ。

 

ディズニーの金儲けのためだけの映画

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観ても思うのは、宇宙船やキャラクター、衣装といったビジュアル面でのデザインや、旧作から使用されている楽曲などの音楽はやっぱり良い。

物語がダメでも、そういうところは根本的には変わらないというのは「スター・ウォーズ」シリーズの良いところ。

フィギュアやおもちゃなどのグッズをいろいろ売れるし、ディズニーとしてはそれで良いのかなと思う。

物語としては物凄く雑に作られていると思うけど、ディズニーとしてはとりあえず客が入ってグッズやらを買ったりなんとかチャンネルに加入して金を払ってくれればいい、と思っているのかもしれない。

ブランド価値は、自分たちのせいでどんどん下がっているようにしか思えないけど。

 

最近の「スター・ウォーズ」作品で面白かったのは『ローグ・ワン』だけだったな。

あとは映画とゲーム、すべてゴミ。

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』にスコアを付けるとすると50点(100点満点)。

 

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