恵比寿に行く用事があって、ガーデンプレイスの東京都写真美術館のリニューアルがそろそろだと思いだしたら、まさに当日だった。
杉本博司さんの「ロスト・ヒューマン」。写真美術館のリニューアルもこの展示も広告の不穏さが不安ながらも楽しみにしていたけど、正直、なにも意味がわからなかった。という感想。
戦艦の模型や変な人形がたくさんあったり。内装はレトロな風に作ってあって凝ってはいたけど、居酒屋の半兵ヱとかナンジャタウンとかみたいな、作り物のレトロ空間という印象は拭えない。
写真作品の展示がすくない。あっても、なぜか同じようなものが何枚も飾られている。自分以外の人間には違う映像または白い空間になにかの映像が映っているのかもしれない。でも、自分には映らないのでそれまでだ。
浅田彰、磯崎新、平野啓一郎、渋谷慶一郎など、いわゆる著名人と言われているような人たちがうすら寒いテンプレな文章を書いていてそれが作品のまえに置いてあるけど、そんなの読みたくない。
杉本博司さんの写真自体は好きだけど、こんかいの展示はよろしくない。ブランド力を使って好きなことをやった、というだけ。現代アートに寄り過ぎ。人が大勢で凄く混んでたし、おみやげ屋では沢山の人がカタログを買ってたけど、異常としか思えない。反対に、なにかしら文字情報がないと理解できない展示とも言えるが。読んで考えなければならいほどの価値はなさそうだし、直感的な面白さが欠けているのはどうかとおもう。
地下でやってる「世界報道写真展2016」はすごくよかった。『ナショナルジオグラフィック』的報道写真群。