※映画のネタばれが若干含まれているかも。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』という映画の主人公のベンジャミン・バトンは、普通の人間ではないんだよね。異常な体質の持ち主という設定なんだ。
普通の人間は赤ん坊から老人へと人生を歩んでいくのに、ベンジャミンはその逆なんだ。産まれたときは身体は小さいけれどもお爺さんみたいな見た目で、骨や関節が丈夫じゃない。そして、死ぬ時は赤ん坊の姿で死ぬ。
ベンジャミンに愛する人が出来て、その愛する人がベンジャミンを愛してくれて愛し合っていて結婚をしても、二人は一緒に老いていかない。ベンジャミンは段々と若返り、奥さんは段々としわがれていく。
ベンジャミンみたいな人間なんて有り得なくて作り話上の設定でしかないけれども、こんな人生は俺はいやだな。この映画を観てから一週間くらい経ったけれど、あることがきっかけでそう思ったんだ。
好きな人がいて、その人とずっと一緒にいたいとか一緒に暮らしていきたいとか、結婚後の生活を具体的に、とかではなくても漠然と思うことはあるでしょ。そういうとき、普通なら自分と相手は例えば同い年であればほぼ同時に年老いていくと思うんだよね。
でも、ベンジャミンはそうじゃない。俺はベンジャミンじゃないから、俺はベンジャミンじゃなくてよかったと思う。愛している人がいて、その人が一緒にいてくれると言ってくれれば、一生の間、一緒に年老いていけるんだよ。
若いことは良いことかもしれないけれど、二人いて片方だけ若いままなんてフェアじゃいからね。「苦楽を共にする」ってやつだろうね。
人間ってやつは、動物ってやつは、生き物は、そうあるべきだと思うんだよね。
夫婦が一緒に老いていくってのは、言ってしまえば当たり前のことで言うまでもないことなんだろうな。でも、だからこそ普段は気にしなくもあるんだとおもう。『ベンジャミン・バトン』は、そういう普通で当たり前のことだけれども、考えてみればすごく有り難いことなのだと気づかせるような映画なんだと思った。
観ていて退屈で途中で飽きてしまったし、長々しくてあまり面白いとは思えない映画だったけれどそういう良さがある映画ではあると思う。
『ベンジャミン・バトン』みたいな一人だけ若いままとか、老いることがない、というモチーフはバンパイア映画にも共通することなのかな。こちらはあまり観ることがないからわからないけれども。
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」予告編
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