海外マンガフェスタ2017(コミティア122)
11月23日、勤労感謝の日。
友人に誘われて海外マンガフェスタなるものに行ってみたら、気づいたら人生2度目くらいのコミティアに来ていた。
同人誌即売会のコミティア122の中の、海外マンガのブースがまとまった部分が海外マンガフェスタということだった。
望月ミネタロウ&ブライアン・リー・オマリーのトークライブを聞いてきてなかなか面白かったので、内容を紹介したいとおもいます。
実は望月さんの最近の作品は読んでいなかったし、オマリーの『スコット・ピルグリム』も名前しか知らなかったのだけど、トークライブは面白かった。
そんな中でも、一ヶ月ほど前に『ドラゴンヘッド』を全巻読んだ(2回目)のでちょっとタイムリーなトークライブではありました。
トークライブの内容は話を聞きながらメモしていったものを清書したものです。
聞き漏らしや誤記があるかもしれませんが。
目次
- 海外マンガフェスタ2017(コミティア122)
- 目次
- 望月ミネタロウの紹介
- ブライアン・リー・オマリーの紹介
- 望月ミネタロウ&ブライアン・リー・オマリー トークライブ
- 望月ミネタロウ&ブライアン・リー・オマリー トークライブの感想
- 関連記事
- 参考記事
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望月ミネタロウの紹介
以前の表記は「望月峯太郎」でしたが、現在のカタカナ表記に変更。
代表作は『ドラゴンヘッド』、『鮫肌男と桃尻女』など。
最近の作品では『ちいさこべえ』、『東京怪童』など。
『ドラゴンヘッド』は連載当時も人気で映画化もされた作家の代表作であり、時代を代表するマンガでさえもあります。
『ドラゴンヘッド』の連載開始は1994年頃で、実に20年以上前の作品です。
今回のトークライブでも触れていましたが、過去作品と最近作との比較や変化が大きいということを意識してみるとなお面白い。
ブライアン・リー・オマリーの紹介
カナダ国籍、アメリカ在住のコミックアーティスト。
代表作『スコット・ピルグリム』(Scott Pilgrim)は『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』として実写映画化されている。
日本ではあまり知られていないようですが、カナダでは大人気の漫画家のようです。
今回のトークや過去のトークでも高橋留美子から影響を受けたと発言をしています。
若い頃、よく『らんま1/2』を読んでいたそうです。
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望月ミネタロウ&ブライアン・リー・オマリー トークライブ
トークライブは撮影禁止だったので始まる前の様子
自己紹介・海外マンガとの出会い
望月ミネタロウ(以下、望月):
横浜出身
海外マンガを思春期の頃から読んでいた
言葉はわからないので絵だけを見ていた
SF・ホラー雑誌の『ヘビー・メタル』をよく読んでいた
ブライアン・リー・オマリー(以下、オマリー):
国籍はカナダ、アメリカ在住
『X-MEN』や『トランスフォーマー』が好き
アメコミを小さい頃から読んでいた
次第に日本のマンガも手に入るようになって読んでいた
高橋留美子の作品をよく読んでいた
『らんま1/2』に影響を受けたけど、初めて読んだのは3巻からだったので何が起きてるか全然理解できなかった
スーパーヒーローものでは『X-MEN』が一番好き
(DC派、マーベル派の争いはカナダでもある?という質問に対して)
DC派、マーベル派のライバル視はカナダでもある
マーベルの作品には人間性やドラマがあるので好き
望月ミネタロウの最近作などについて
望月:
若い頃は『チャンピオン』を読んでいた
ギャグマンガの『らんぽう』が好きだった
最近の作品は『ちいさこべえ』や『東京怪童』など
最近の描く上での心構えは、以前はストーリー主体だったが、今はパーソナルな視点に変えようとしている
名前のカタカナ表記の変更も、そういう面を意識している
一度リセットして描く、という意識
司会(BD翻訳者):
『ちいさこべえ』はキャラクターがオシャレ、服装に気をつかって描いている
キャラごとに服装の雰囲気などが描き分けられている
ヒップスター(流行を追う人)な人物が出てくるのが象徴的
ネタをどこから探してくるのか
望月:
周りにいるひとを参考にすることがある
ただ、周囲の人たちを「ネタ」と考えたことはない
オマリー:
すごく難しい質問(実際、答えづらそうにしていました)
周りの人間や、他の作品からインスパイアを受けることがある
『スコット・ピルグリム』について
オマリー:
日本の本の装丁が好き
海外はペーパーバックだけど日本の場合はカバーがある
カバーや裏のイラスト、デザインなどを凝ることができる
オリジナル版を出版するときに判型などが日本のマンガと同じになるように出版社にお願いした
『スコット・ピルグリム』は連載をしていない
一冊ずつ描き終えてから発表している
連載、作品を描く作業について
望月:
新連載をするときは2話分しか描き溜めていない
ストーリーを最後まで考えた上で連載を始める
オマリー:
『スコット・ピルグリム』は1巻から3巻まで描き方に変化がある
3巻だけアシスタントが2人いたので変化があった
1、2巻はほとんど自分だけで描いている
さっきも話したけど、高橋留美子みたいな絵を意識していた
望月さんは昔のマンガは線が多かったけど、最近は少ないからその変化がおもしろい
望月:
昔は描き込めばいいとおもっていた
だんだん線を選ぶようになった
映画の影響をあって絵柄に変化が出た
可愛い女の子を描くうえでの心構え
望月:
一枚絵の女の子のイラストの依頼というのは受けていない
一枚絵ではなく、ストーリーの中で可愛い子を描きたい
フェチズム的なこだわりがあったりする
オマリー:
マンガを描くことイコール可愛い女の子を描けるということ
可愛い女の子が好きだから嬉しい
ストーリーの中での女の子のライフスタイルとかに興味が出てくる
これからの仕事
望月:
来年(2018年)、新連載が始まる
今は小説の挿絵を描いていて忙しい
オマリー:
『スノットガール』の連載をしている
ウェブコミックで『ワーストガール』を連載している
ある程度量がないと単行本にできないで根気強く描いている
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望月ミネタロウ&ブライアン・リー・オマリー トークライブの感想
オマリーのトークがあるというのは知っていたけど、望月ミネタロウさんも出るというのは知らないまま会場に着いた。
最近『ドラゴンヘッド』を読み返したばかりだったので、作者が目の前にいる嬉しさもあったけどそれよりも変な気分の方が大きかった。
オマリーの『スコット・ピルグリム』も読んだことがなく、望月さんの最近の『ちいさこべえ』も読んでいないのであまり言えることがありません。
ただ、今回のトークライブでマンガの中身の紹介があったりウェブでちらっと雰囲気を掴むことはできた。
オマリーや海外マンガに対してなぜ望月ミネタロウなのか、というのが謎なところではあった。
でも、『ちいさこべえ』を見てみるとよく言われている通り、昔の作品とは全然ちがう。
というか、『ちいさこべえ』の表紙とかは知っていたけど『ドラゴンヘッド』と同じ作者だとはそういえば思ってなかった。
『ちいさこべえ』はフランス語にも翻訳されていたりするらしいし、中身としてもバンド・デシネ(BD、フランスのマンガ)っぽさがあったりする。
線が少ない絵柄にしてもコマ割りやある種単調なアングルなど。
スーパーヒーローもののアメコミというよりも、フランスマンガ=バンド・デシネ(BD,ベネ)みたいなサブカル感というか物静かでローテンションな作風。
上の画像は望月さんの読み切り漫画をウェブから引っ張ってきたものだけど。
ふつうの日本マンガでは出てこなさそうはファッションのキャラがいたりもする。
上の男性みたいな髭が口を覆って髪の毛を借り上げているようなひとは、実際カナダでは流行っていてけっこういるらしい。
後になって、望月ミネタロウとブライアン・リー・オマリーの組み合わせというのはけっこう自然なものだったのかな、とおもう。
二人の作品をいろいろ読みたくなった日でした。
関連記事
参考記事
ブライアン・リー・オマリーvs相原コージ&竹熊健太郎 「スコット・ピルグリム」第4巻発売&映画公開記念大対談