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【解説】GoWR 予言されたクレイトスの死、アトレウス(ロキ)たちが変えた運命、クレイトスの未来など - ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク (GoW:Ragnarok)【ネタバレ 考察】

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【解説】GoWR 予言されたクレイトスの死、アトレウス(ロキ)たちが変えた運命、クレイトスの未来など - ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク (GoW:Ragnarok)【ネタバレ 考察】

『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク 』(God Of War:Ragnarok)の解説・考察記事です。

この記事では、予言されたクレイトスの死、アトレウス(ロキ)たちが変えた運命、クレイトスの未来などを扱っています。

ほかにも、未来と過去の2体のヨルムンガンド、本当の予言にうろたえるオーディンなども。

※以下ネタバレあり

 

目次

 

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予言されたクレイトスの死、アトレウス(ロキ)たちが変えた運命

前作のヨトゥンヘイムの予言の壁画のシーンで、クレイトスは自身の死の予言の絵を見た。

この時は、アトレウス(ロキ)はこの絵を見ていなかったため、父親が死ぬと予言されているとは知らない。

アトレウスが父の死の予言を知るのは、鉄の森でアングルボザに会ったタイミング。

 

GoWRの予言の絵

前作の予言の絵

 

今作も前作もほぼ同じ絵が描かれている。

周りに書かれたルーン文字は翻訳すると「裏切り」、「死」、「父」、「大惨事」、「嘆き」といったワードとのこと。

アトレウスの口から出ているものは、ルーン文字が書かれていることから呪文のように見えるが、形状は蛇に見える。

 

『GoWR』でアングルボザの家で見られる絵には、右側にトールと思われる人物が描かれている。

 

左の巨体の人物はおそらくトール

アトレウスが死んだクレイトスを抱き、トールが向かい合っているという構図の絵になっている。

おそらく、この絵で描かれていたのはクレイトスがトールに殺されるという予言内容。

『GoWR』の結末としては、この予言は実現しなかった。

 

 

最後にアングルボザに連れて行かれて予言の絵を見たシーンで下記の会話がある。

 

アトレウス「ヨトゥンヘイムの祭壇は母上(フェイ)が壊したんだね。運命を知られたくなかったんだ」

アングルボザ「仲間である巨人族に逆らったの。あなたのことを守るためにね」

 

フェイが壊した部分というのは、上に載せた予言の絵の画像の右側部分だと思われ、そこにはトールが描かれている(『GoWR』で判明)。

アングルボザの「あなたのことを守るためにね」という発言はアトレウスのことを指していると思われるので、フェイはアトレウスがトールに殺されないために、祭壇の絵を壊したと推測できる。

結果的に、アトレウスは前作の段階でクレイトスが死んでいる絵さえ見ていなかったが。

もし、クレイトスがトールに殺されるという予言をアトレウスが知っていたら、トールを妨害しようとして殺されたかもしれない。

フェイはそのリスクを危惧して祭壇を破壊したのではないか。

 

前作でトールの絵が削られているのは、メタ的に考えると、次回作のネタバレを避けたいという制作側の意図もありそうだ。

 

 

一方、クレイトスがトールに殺されるという予言は部分的に当たっている。

序盤にトールと戦った際、クレイトスは一度殺されている。

だが、直後にニョルミルの電撃による電気ショックでクレイトスは蘇生する。

これらの予言はグローア(神話上では魔女)によるものだが、グローアは強烈な出来事としてこのクレイトスが殺される一瞬のシーンを瞑想の中で見たのかもしれない。

 

クレイトスも、自分がトールに殺されるという予言は知らなったので、死ぬことを前提にトールと戦ったわけでない。

 

 

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生き残るクレイトス、旅立つロキ

アングルボザの家にある予言の絵

 

『GoWR』のメインストーリーを終えても、予言通りにはいかずクレイトスは生き残った。

上に載せた予言の絵のように、その通りになった予言も多い。

と言うより、この画像の絵に限れば左下のトールたちの絵だけが未来を変えたように予言と違っている。

 

アトレウスがロキとして、最後に巨人捜しの旅に出ることも予言されている。

旅に出る理由は、アングルボザに巨人たちの玉珠を託されたこともあるだろうが、特に父親なしで一人で旅立つ決心を固めたのは、上の絵にあるように一人で旅立ちをしているからのように思える。

 

死んだのはオーディン

 

物語の結末として、実際に死んだのはオーディンだった。

グローアによる本当の予言でもオーディンは死ぬことになっている。

戦士によってオーディンは倒されるという内容の予言。

予言は大雑把にしか当たっていないが、オーディンが死ぬという内容は合っている。

また、呪文を唱えていることやロキが遺体を抱きかかえているという点は、前作からあるクレイトスの死の予言の絵と共通している。

オーディンの魂を移した玉珠は予言の絵に描かれていない。

 

 

神として称えられる未来のクレイトス

表側の絵

裏側の絵

 

最後にアングルボザに見せられた予言の絵は二つある

一つは表側のフェイがヨトゥンヘイムを訪れている絵。

もう一つは、裏側の絵で、ここにはクレイトスが周りから称えられているような絵が描かれている。

裏側はクレイトスしか見ていなくて、この絵を見てクレイトスは九界の復興に尽力することを決意したように見える。

 

また、実は裏側の絵には別の絵があり、クレイトスが称えられているような絵はその上から描かれている。

下に描かれているのは、アングルボザの家にあったクレイトスがトールに殺されている内容の絵。

おそらく、アングルボザがこの祭壇の絵に上から新しくクレイトスの絵を描いたのだろう。

 

アングルボザが使っているのは、鉄の森の樹皮で作った絵の具。

樹皮は鉄の森の記憶を吸い取るので、その絵の具も覚えている。

過去の記憶だけでなく、未来の記憶も(覚えている)、ということを初めてアトレウスと出会った際に言っている。

アングルボザが勝手にクレイトスが復興の神、あるいはラグナロクから救った神として称えられているかのような絵を描いたのではなく、鉄の森の絵の具が予言として描かせたのだろう。

 

表側の絵や、今まで見てきた絵とは色づかいが異なることもアングルボザが描いたと推測する根拠になっている。

クレイトスが立つ台の下部分にかわいらしい植物が描かれているのもアングルボザらしさがある。

 

未来と過去の2体のヨルムンガンド

冬眠から目覚めたヨルムンガンド

 

神話上ではロキとアングルボザの子供として登場する、巨大な毒蛇のヨルムンガンド

前作で、ミーミルの話ではヨルムンガンドが以前にアトレウスを見た気がする、と言ったとのこと。

今作では、ミズガルズでフィンブルの冬によって凍っていたようで、アトレウスが呼び掛けて雪か氷の中から起き上がってくる。

序盤に湖で会ったヨルムンガンドは、前作と同じ個体と考えるのが自然。

この時の会話で、アトレウスの発言(何と言ったかは不明)に対して、ヨルムンガンドが「鉄の森」と答えている。

 

一方、今作で生まれたヨルムンガンドもいる。

アトレウスが鉄の森のアングルボザの祖母の家で、白くて大きめの蛇(魂が抜かれた状態)に巨人族の玉珠からを入れた。

この蛇がもう一体のヨルムンガンドと思われる。

ヨルムンガンドの体はふつうの蛇のようだが、魂は巨人族のもの。

巨人族の誰なのか(誰の玉珠=魂だったか)は不明。

 

巨人族の魂を入れられた白蛇

 

今作で、ヨルムンガンドが冬眠から目覚めた際に「鉄の森」と発言した理由は、鉄の森でアトレウスに魂を入れられたことを覚えていたからなのかもしれない。

成長したアトレウスと会うのは冬眠から目覚めたタイミングが初めてだと思うので、初めて出会った時の姿を見て、魂を入れられた時のことを思い出したようにも見える。

 

過去に跳んだ未来のヨルムンガンド

クリア後の会話に以下のようなものがある。

 

・フレイヤ

「ヨルムンガンドのトールへの一撃には恨みが込められていたように見えたわ」

「会ったことなんてあるはずがないのに」

・ミーミル

「実はそれについて仮説があるんじゃ」

「アトレウスはヨトゥンヘイムで魂を移す術を学んだが」

「それに関係があるのではないか?」

・フレイヤ

「つまりトールに恨みのある巨人の魂をヨルムンガンドに移したということ?」

・ミーミル

「いかにも!それが誰かはわからんがのお」

「そもそもヨルムンガンド自身かつての己を覚えているかどうか…」

 

今作では、湖以外だとヨルムンガンドはラグナロクの最中に一瞬登場したのみ。

その際はトールと戦っていて、トールのミョルニルとぶつかり合った衝撃でヨルムンガンドの姿が消えている

おそらく、この時に過去にタイムリープしたのだろう。

前作の時点で、「大蛇の歴史」という項目に「ミーミルによると、世界蛇ヨルムンガンドは、ラグナロクでもうトールと戦っていて、その未来から現代に飛ばされたんだって!」という記述がある。

今作では、この記述と全く同じ展開になっている。

 

前作のミーミルのおはなし

 

ミーミルの仮説や物語の文脈を考慮すると、タイムリープしたのは今作でアトレウスが巨人族の魂を移した白い蛇ということになる。

白い蛇は勝手に逃げ出して、あの後もヨトゥンヘイムで過ごしていたと思われる。

アングルボザが、逃げ出した後も白蛇を見かけていて、普通より早いスピードで大きくなっているということを言っている。

白蛇に巨人の魂を入れたことで、異常なスピードで異常な大きさに育ったのだろう。

 

白い蛇から成長したヨルムンガンドは、クレイトスが吹いたギャラルホルンによってアースガルズに引き寄せられてラグナロクに参戦する形となった。

そうだとすると、前作でヨルムンガンドがアトレウスに以前会ったことがあるような気がする、という発言の整合性がとれる。

 

以上のように、文脈から推測すると今作の白い蛇≒ヨルムンガンドが過去に跳んだということになる。

ただ、そうすると前作から登場していて、今作ではミズガルズの湖で冬眠していたヨルムンガンドはどうなるのか?という疑問が残る。

冬眠から目覚めてすぐにどこかに行って以来、前作からのヨルムンガンドはおそらく登場していない。

 

ヨルムンガンドとトールの因縁

 

『スノッリのエッダ』や『古エッダ』などに書かれている神話で、ヨルムンガンドとトールが出会ったエピソードは複数ある。

その中でも下記の2つは「ヨルムンガンドとトールの因縁」を物語る内容となっている。

 

●トールが釣りでヨルムンガンドを釣り上げたエピソード

雷神トールが巨人のヒュミルとともに船で釣りに出た際、ヨルムンガンドを釣り上げ、鉄槌ミョルニルで斃(たお)さんとした。しかし『ギュルヴィたぶらかし』では船が沈むことを恐れたヒュミルが釣り糸を切ってしまったため、海中に逃がしてしまった。『ヒュミルの歌』においても、ヨルムンガンドは頭部に一撃を受けながらも海中に逃れている。

ヨルムンガンド - Wikipedia

 

●ラグナロクでのトールとヨルムンガンドの戦い

ラグナロクが到来するとき、ヨルムンガンドが海から陸に上がり、その際に大量の海水が陸を洗う様子が語られる。また同章および『古エッダ』の『巫女の予言』ではヨルムンガンドとトールの戦いが語られる。トールはミョルニルを3度投げつけ、ヨルムンガンドをうち倒す事に成功するが、最期に吹きかけられた毒のために命を落とし、決着は相打ちという形で終わることになる。

ヨルムンガンド - Wikipedia

 

上記のように神話上では、ラグナロクの際にヨルムンガンドとトールは相討ちに終わる。

一方、本作『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』では、ヨルムンガンドはトールのミョルニルで過去に跳び、トールはクレイトスと戦って敗れた後にオーディンに殺されるという結末になっている。

 

本作では二人はラグナロクの時にしか会ったことないので、因縁は生まれない。

だが、アトレウスが白蛇に入れた魂の巨人がトールに何か恨みがあったのなら、話は変わってくる。

「過去に跳んだ未来のヨルムンガンド」に載せたように、ミーミルはトールに恨みがある巨人がヨルムンガンドになっている、という仮説を立てている。

 

以上のように、本作では神話での二人のラグナロクでの対戦エピソードを採用しつつ、二人の因縁についてはヨルムンガンドの中の巨人に分離させて採用しているのだろう。

 

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最初からオーディンが変身した姿の偽テュール

 

アトレウスが解釈した予言の内容をもとに、ヤーンスミーダ鉱山で囚われていたテュールを助けた。

 

だが、終盤でテュールの姿で仮面を持ってアースガルズに帰ろうとしたところをブロックに疑われて、抵抗したところで真の姿であるオーディンに戻る。

 

クリア後に、ニブルヘイムのアース親族の監獄の奥に進んで行くと、本物のテュールを見つけて助け出すことができる。

本物のテュールはずっとこの監獄に囚われていたようなので、鉱山で助けたのはオーディンが変身した偽物のテュールだったということになる。

 

オーディンは神話でさまざまな者に変身したエピソードが語られている。

本作でも、フレイの剣を奪うために美女に変身したり、ビルゲルの仲間だった戦士たち(トラベラー)を騙すために変身したエピソードがある。

本作の場合、オーディンの変身についてテュール以外は道中の会話や石碑などの情報で語られていることが多いため、あまり印象にないかもしれない。

 

オーディンはよく変身する神ではあるものの、少なくとも本作をプレイしただけではどのように変身?変装?しているかはわからない。

偽テュールに関しては、助けられてからずっとクレイトス一行と一緒にいて、シンドリの家でも一人ではいる時間は少ないので、オーディンが変身してテュールとしてすごすのは難しそうに思える。

シンドリの家では、ほうき置き場で寝ていたという話があったが。

実体のオーディンが変身してテュールを演じている、というよりは分身を遠隔操作している、という方が自然に思えるが、最後の変身がバレた時は実体のオーディンだっただろうから、変身なのか分身なのかはハッキリとしない。

 

 

本物のテュールは監獄に囚われていたが、一見すると生かしておく必要があったのか疑問に思える。

監獄からの帰り道で語られていることによると、オーディンの変身する魔法は、変身相手が生きている方が魔法の効果が高まるから、生かしていたらしい。

本物のテュールが生きていて魔法の効果が高い状態だったと考えると、割とプレイヤーが騙されるレベルでオーディンではなくテュールとしてすごせていたのも納得しやすくなる。

魔法の効果が高いとうまく変身できるとすると、演じているというより変身相手の人格を憑依させるような感覚なのかもしれない。

 

テュール捜しの予言がなんか変?

 

テュール捜しは物語序盤からアトレウス主導で行われている。

ゲームが始まる前からアトレウスがシンドリに手伝ってもらって、ミズガルズの予言を全て見ていたりした。

だが、アトレウスがテュール捜しをしていることはオーディンも知っていた(クレイトスが知る前に)。

 

アトレウスは予言に描かれている「戦士」をテュールだと考えている。

そこから連想していって、ミーミルとクレイトスが話し合った結果、テュールの居場所はヤーンスミーダ鉱山ではないかということになる。

そして、鉱山のあるスヴァルトアルフヘイムに行き、ドワーフのダーリンに鉱山への行き方を教えてもらう、という流れだったと思う。

 

もし、助け出したテュールが本物であれば、見つけるまでの流れに違和感はないのだが、実際はオーディンが変身した偽テュールだったので違和感が残る。

特に、鉱山らしき場所を指していた予言はなんだったんだろう、と疑問に思う。

オーディンは最初からアトレウスがテュールを捜していることを知っていたので、どこかの場所で囚われているテュールに変身すればいいわけだが、アトレウスたちが捜しに来る場所までは選べない。

オーディンが場所を誘導するとしたら、予言に細工をしなければ難しいだろう。

アトレウスが見ていた予言も、すべてが本当の内容というわけではなさそうだが。

最初からテュールが偽物でオーディンだった、というのは少し整合性が怪しいなと思うところ。

 

本当の予言にうろたえる偽テュール=オーディン

 

エルフの神殿でグローアの予言を見るシーンをクリア後に改めて見てみると、偽テュール=オーディンがうろたえていて面白い。

 

グローアは行方不明の夫を捜している。

夫を必死に捜していて何週間もの間、瞑想をした。

瞑想の中で見つけたのはラグナロクの幻影だった。

 

偽テュール「予言のことを知ったオーディンは、グローアを見つけて自分にだけ教えるよう迫り、予言の内容に腹を立てた」

 

偽テュール「恐らくグローアは光の元に旅立った後に、自分の灰をヨトゥンヘイムに届けるよう頼んだのだ。オーディンが素直に約束を守るとは思えんが…」

 

【予言】

アースガルズは滅ぶ

でも他の世界が反映する

戦士がオーディンを打ち破る映像

そしてオーディンが死ぬ

 

予言を見ていて、偽テュールがクレイトスたちの前に出てくる。

 

偽テュール「嘘だったのか」

 

グローアはオーディンに偽の予言を教えていた。

偽テュールはアトレウスの呼びかけに反応せず予言の映像を見入っている。

 

偽テュール「予言に己の運命を委ねるつもりはない…」

アトレウス「でも見たでしょ」

偽テュール「いいや なにかの… 間違いだ」

 

偽テュール「もしもアースガルズが滅べば犠牲はオーディンだけでは済まないぞ」

偽テュール「他に方法があるはずだ」

 

アトレウス「グローアはオーディンを騙してた。ラグナロクは世界の終わりじゃない」

アトレウス「終わるのはアースガルズだけだ」

 

偽テュール「ひとつの世界が崩壊するのだぞ?民も生き物も共にな」

偽テュール「オーディンの悪事とは無関係のはずのものが」

 

帰り道

偽テュール「私はもう軍神ではないのだ」

 

オーディンは、自分が死ぬというグローアの本当の予言を知って、かなりうろたえている。

アトレウスは、戦士=テュールに率いてもらってラグナロクでオーディンを打ち倒したいと考えているが、自分が殺されてはかなわないので偽テュール=オーディンは、アースガルズを滅ぼさない方法を探すよう促している。

帰り道の「私はもう軍神ではないのだ」という言葉も、テュールは戦わない、別の方法を探すべきだ、という意思表示に思える。

 

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