月刊 COMIC (コミック) リュウ 2012年 06月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2012/04/19
- メディア: 雑誌
- 購入: 1人 クリック: 43回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
鶴田謙二の『さすらいエマノン』のイラストのブックカバーが付録でついているということで、今回初めて『コミックリュウ』を買った。ブックカバーは二つ付いていて、大きさは『ジャンプ』の単行本より少し大きめの判のものが付けられるくらいの大きさ。
つい最近発売されたばかりの、原作:梶尾真治、作画:鶴田謙二の『さすらいエマノン』を読んだあと、『コミックリュウ 6月号』を読んだ。
『さすらいエマノン』はカラーページが多いのはいいのだけど、気のせいかもしれないけど前作の『おもいでエマノン』に比べると絵が粗いように思えた。もうすこし整ったものを読みたいとおもってしまう。
『おもいでエマノン』が一冊完結というかんじで話としても本としても綺麗だったり初めて読んだものだからか、『さすらいエマノン』に比べて『おもいでエマノン』のほうに思い入れがある。
- 作者: 鶴田謙二,梶尾真治
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2008/05/20
- メディア: コミック
- 購入: 33人 クリック: 549回
- この商品を含むブログ (202件) を見る
- 作者: 梶尾 真治,鶴田 謙二
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2012/04/03
- メディア: コミック
- 購入: 10人 クリック: 152回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
ふみふみこの連載『ぼくらのへんたい』はあいかわらずふわふわした画風と物語で引き込まれる。いわゆる「オトコの娘」の話でもあるけど、BLっぽさもかんじる。短編集の『女の穴』は露骨にエロいけれど、全体的に読み応えのあるものだった。
ふみふみこの作品については批評家の伊藤剛さんがニューウェーブに類するというようなことを言っていたことから、興味を持った。これがニューウェーブなのか、ニューウェーブって結局なんなのかまだわかっていないけどこの人の作品はけっこう好きだ。
- 作者: ふみふみこ
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/09/13
- メディア: コミック
- 購入: 13人 クリック: 304回
- この商品を含むブログ (44件) を見る
どこかで名前だけは見たことがある星里もちるの『ちゃんと描いてますからっ!』も載ってる。父がダメな漫画家でそれを娘が助けるという話。なかなかおもしろそう。父親はダメなひとなんだけれど、家族愛のようなものをすこしかんじた。他にも『まんがの作り方』というものも載ってるけど、こっちはよくわからなかった。
- 作者: 星里もちる
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/04/13
- メディア: コミック
- 購入: 7人 クリック: 90回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
この間、本屋で「ジャケ買い」した釣巻和(つるまき のどか)の短編集『うさぎ装束』はけっこう良かったのだけど、おなじく釣巻和の『くおんの森』という連載作品が載ってる。これまたBLっぽい雰囲気を漂わせてるけどSFとファンタジーの混ざったような作風が好み。なんとなく宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をおもいだす。
短編集の『うさぎ装束』はいろいろな時期のマンガが載っていて、その時期によってクオリティーがバラバラなのが短編集としての面白さの一つになっていた。後半に進むにつれて、BL性が加速していたような記憶…。
釣巻和の場合、男同士の友情と恋というものがギリギリのところで釣り合っているようにおもえる。バランスが良いとおもう時と、行き過ぎだと思う時があるけど。どこまで行くか、という点で読んでいてハラハラするものがあるかな。BLは好きではないしむしろ嫌いなのだけど、この人の場合は雰囲気が綺麗だからなあ。
- 作者: 釣巻和
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/02/12
- メディア: コミック
- クリック: 19回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
アサミ・マートの『木造迷宮』。不動産会社に勤めるサエコさんが主人公で木造家屋の取り壊しから始まるコアな物語だけど、けっこう良かった。連載作品のようだけど、読み切りのような一話完結で読み易い。話としてとてもきれいな綴じ方。
- 作者: アサミ・マート
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2008/03/25
- メディア: コミック
- 購入: 4人 クリック: 90回
- この商品を含むブログ (45件) を見る
読み切りのものでは、クマザワミキコの『夜の須田課長』と宮居史伎の『そんなお前に俺がした』がよかった。どちらもおなじ作者の他の作品を読みたくなる。『夜の須田課長』の扉絵がセンスがあって好き。
『コミックリュウ』は数か月前まで休刊していた雑誌らしい。ぼくはこの雑誌の存在自体を最近知ったばかりだ。なんとなく『アフタヌーン』と掲載されているマンガのジャンル、画風とかが似ている気がして気になってはいたのだけど買って読んでみて結構楽しめた。
掲載されている作品にはBLとか百合とかの同性愛モノとかもチラホラとあって、やっぱりマイナー誌なのだとおもうけど。でも、BLは最近ほんとうに勢力を伸ばしているようだから気になるジャンルではある。どうしてそんなに人気なのかとか、作る側が女性向けを重視しているのかとか。
日常生活でもBL作品から発した「男同士=同性愛」という構図に即繋げる風潮をかんじることが多々ある。たとえばツイッターでもホモネタは人気だったりするようだし。じぶんの意識としても、「BL脳」的に連想をしてしまうようなことが稀にあってこれはなんなんだろうと不思議におもう。
言いたいことが固まっていないけど、たまにそういうふうに変な気分になることがある。なんとなく流行りの文化に浸食されている実感というものか。