sibafutukuri

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朝食

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  シャワーを浴び目を醒ます。いまはまだ家を出るには早いので、軽めの朝食を摂ることにする。カゴから食パンの袋を取り出し一枚だけその袋の上に広げる。冷蔵庫にはマーガリンがない。マーガリンのない冷蔵庫とか、喧嘩を売られている気分にさせられる。仕方がないのでバターの箱と苺ジャムの小瓶を出す。長方形のバターを、バターナイフで一塊切り取る、思ったよりも多くとれてしまってしかも分厚い。それを薄ぺらなパンのうえに乗せ、なるべく小さくなるように細切れにしていく。そんな簡単にバターが溶けるはずもないので諦める。小瓶のフタを開けてバターナイフで苺の塊と紅色の液体をパンとその上に転がるバターのころころたちにまぶせる。なんとか端まで均等に広がるようにパレットのうえを撫でてみる。半分に折りたたむ。

  あと、冷蔵庫からは牛乳も出していた。牛乳をそれだけで飲むのは普段あまりしない。とにかく、なんだかガラガラする喉に冷たいものを流し込みたいという気分も手伝ってひさびさに飲むことにした。ひやっとする液体はたしかに喉あたりがよかった。パンとの相性もいい。そういう作業をしながら、バターナイフを持つ手をぼーっと眺めているとなんだか震えているのがわかる。ふむ、落ち着けよとぼくはおもう。日ごろの不摂生の余波が及んでいるのだろう。この時間だからということもあるかもしれないが。反対の手のほうも震えている。頭の中がイメージで落ち着かないのと伴っているのか。風呂場でふと時間の観念から抜け出す瞬間があり、そこから帰ったときに焦る。その時はイメージの次元に溺れている。

  二つ折りにしたパンは苺で甘く、そしてバターで塩辛い。数秒で喉に押しこみ、目の前にあった手作りラスクのようなものも二つ口に放り込む。それはパンを五センチくらいの長さに切って、そのうえにペースト状のピーナッツバターかなにかが塗ってある。しかし、歯ごたえがかなり悪い。パリッとか、サクッとかではない。グニャっという感じで折れてあまり気持ちがよくない。味はまあまあだ。早く食事を終わらせたかったので、カップに容れた牛乳で流し込む。


  昼近くまでこの量でもつわけがないので、あと一時間ほどしたらまた何かを食わなければならない。おそらく、冷蔵庫にあるタッパーに容れられた冷ご飯を温めて、生卵と納豆とキムチをまぜこぜにして食べるだろう。
  そう考えながら、お湯をやかんで沸かし、カップにインスタントの粉を小さじ二杯ほどいれ、砂糖と蜂蜜を割と少なめにいれたあとで熱湯をそそぐ。スプーンでかるくかき混ぜうっすら白い渦がうごめくなかに、牛乳を適当にそそぐ。三杯目だ。あとで時間があればブラックでいれよう。