泥んこまみれ

  初めてbibioを聴いた時、いままで耳にしたことが無いはずなのに、その音響はずっと前から知っていたみたいに当たり前にあるべきで、あるはずのものなのだけれども、東京地方に居るとやはり忘れがちの地方臭さが溢れている。

  どこかで聞いたことがあるような音楽ではあるけれども、なんだかやはり新鮮で、高地の澄み切った空と高原の芝生の湿った匂いを嗅いでいるような、生き生きと生々と、土臭く、泥んこまみれになって這いずり回って遊んでいたときのような。牛も虫も蠅も犬も猫も豚も鳥も自分も、一緒くたに遊んでいた気がしてくる。蟻さんごめんなさい。忘れられる時は来ないのだろうけれども、覚えていなくても構わないのにbibioが起因となって、満ち出てくるものが嬉しい。
bibio - Flesh Rots, Pip Sown

bibio - Mr. & Mrs. Compost