sibafutukuri

ゲームの攻略情報・感想、音響系音楽、文学、アニメ、映画などについて書こうかなとおもっています。

音楽は腐り

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  「Tokyo Tower Wax Museum Presents クラウス・シュルツェ ジャパン・ライブ2010」というものに先ほど行ってきた。なぜこのようなイベントに行ったかというと、無料招待を受けた人から誘われ、タダで観られるということと、シンセサイザーで何かをやるらしいということであったからだ。クラウス・シュルツェという人は名前すら知らなかったし、公演が始まるまで、どんな音楽をやるのかなどの事前情報はゼロであった。

  それで、40分ほど演奏したところで休憩時間があったので帰宅した。本当は公演が始まった5分経ったくらいで帰ろうと考え始め、それ以降頭の中で不平をこぼし続けていた。これほどにも下らない音楽に対してたらたらと長文を書くのも馬鹿らしいから、なるべく詳細は書かないように努める。
  公演のタイトルは「ライブ」となっているけれど、印象としては「コンサート」という言葉が似合う。会場は東京国際フォーラムのホールCというところで、座席制であり一階から三階までの席がある。私は三階の席で、そこは会場のどん詰まりであって、ステージに近い一階席などは知らないけどれども、三階席なんてのは音響設備的に最悪の場所であった。音がほとんど前面からしかぶつかってこないという状況が、Liveという場では危篤状態に等しく低劣である。音量が大きい際にはまだましなのだが、おしとやかにシンセを鳴らしている際にはキンコンカンコンがどこか遠くで響いているような状態であり、三階からステージを見下しているということもあって、傍観というよりも音楽を俯瞰しているような状態であった。Liveというのは、音楽に参加するものだと思っていた。が、これほど作者との壁を感じさせられるとは思ってもみなかった。だから、これは「コンサート」であり「鑑賞」だと言う。

  我々は化石を鑑賞しに来たのか。クラウス・シュルツェという人物は音楽史からするともはや化石である。そして、やっている音楽というのもやはり化石だ。クラシック・シンセサイザー・ミュージック。退屈は退屈でも、観ていて(聴いていて)おもしろいものはある!現代音楽がそうだろう。現代音楽は九割方が退屈なものである。けれども、思惟するのはおもしろい。クラウス・シュルツェはなんだ?数十年前の錆ついたシンセサイザーから聞こえる音がそれだ。プログレッシブロックということばは何年まえの言葉だ?クラウス・シュルツェは過去において進歩主義者であったのかもしれない。しかし、進歩した状態で足踏みをしているのがあの様だ。

  まぁ、別に音楽それ自体が低俗であっても、これだけ憤ることはない。客層は女性がすこし少ないというくらいで20代から60代までの方々がいた。20、30代が最も多かったか。男女のペアや複数人のグループで来ている人もいた。そして、1,502席ある東京国際フォーラムのホールCのほぼ全席が埋まっていたと思う。あの化石にこれだけの人が集い、わーわーと拍手やらなんやらをして祭り上げている空間が異常だと思うのである。

  みなは初めからあの化石を化石として鑑賞しにいったのか。あれを化石と思わずに、純粋に音響的に礼賛している人などいないだろうとおもうが。この化石の場合には教科書にも載らない何の価値もないただの石ころだと私は思うのだけれど。それは、鑑賞するための化石としても快楽を授かるための音楽にもなっていないからである。

  わざわざあの石ころに金を払って労力や時間を浪費し観に行き、そして喜悦に耽る人(などいないと思うが)などは考えようによっては幸せ者なのだろう。音楽という呪縛に囚われながら両脚に付けられた枷に気付かずに、金魚鉢のなかの世界しか知らずにうまくやっていくのだろう。

  こういう物を好んで耳にしていながらも、シンセサイザーを自分で弄ったことがない人は、是非それと戯れるべきだ。「音楽を聴く」といういつの間にか刷り込まれた意識自体が音楽という呪縛であり、足枷だ。


CAPTAIN TRIP RECORDS
http://www.captaintrip.co.jp/infl.html

クラウス・シュルツ

ドイツ・ベルリン出身の作曲家。主にシンセサイザーシーケンサーを使用した大作 的な楽曲で知られる。分類的にはプログレッシブ・ロックと見なされるが、後のアンビエント・ミュージックやトランス・ムーブメントにも影響を与えた。ドイツ・ロック界の巨匠。かつてメンバーであったタンジェリン・ドリーム比較すると、シュルツェのほうがより重厚で壮大、神秘的な作品が多い。タンジェリンドリーム脱退後にマニエル・ゲッチングとアシュラテンプルを結成し、その後はソロ活動を行っている。

公式サイト:http://www.klaus-schulze.com/