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【解説】『FF7』セフィロスは『ぬ~べ~』玉藻先生のパクリ?『ベルセルク』グリフィスにも似てるよね【比較】

「玉藻先生」がトレンド入り!なんで?

2月29日発売の『FF7リバース(ファイナルファンタジー)』に混ざって、マンガ&アニメ『地獄先生ぬ〜べ~』に登場するキャラの「玉藻先生(玉藻京介)」がトレンド入りしている。

 

「玉藻先生(玉藻京介)」は、同作に登場する妖狐で、最初は敵役として登場したが、主人公ぬ~べ~が務める小学校に教員としてやってくる。

玉藻は妖狐の姿と人間の姿で作品に登場。

 

目次

 

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セフィロスとどん兵衛がコラボ

「玉藻先生」がトレンド入りするきっかけになったのは、下記のツイッター(X)のどん兵衛公式アカウントのツイートによるもの。

 

 

「FF7R」のセフィロスが、キツネの耳と尻尾ををはやし、クラウドに向かって「どん兵衛を食べないか」と投げかけるシュールなコラボ映像になっている。

これを見た人が、下記のように「セフィロスがどん兵衛の狐になったら、ぬ〜べ〜の妖狐玉藻思い出すわw(どちらもCV森川智之)」と投稿。

 

 

その数時間後には、「地獄先生ぬ~べ~公式」のアカウントでも同様のツイートをし、マンガを描いている岡野剛もリツイートなどで同調。作品のファンも、「確かに玉藻先生だ!」などと投稿し、思わぬ余波でひさびさに『ぬ~べ~』界隈が盛り上がっていた。

 

 

言われてみれば玉藻とセフィロスは似ている?パクリ?

ぬ~べ~公式アカウントが書いているように、玉藻とセフィロスの共通点は多い。

銀髪、長髪、美形、同年代、声優が森川智之なことなど。

少なくとも、原作の『FF7』ではセフィロスはクラウドのライバルではないが、のちの関連作品などではライバル関係のようになっている(見える)ものもあるかもしれない。

 

 

だが、そもそも玉藻のキャラデザはオリジナルなのか?という疑問の声も上がっている。

それは、玉藻は『幽遊白書』の妖狐バージョンの蔵馬に似ている、という点だ。

もろに同じ妖狐キャラであり、どちらも白髪あるいは銀髪や長髪など、共通点が多い。

 

 

玉藻は始めから銀髪ではなかった

実は玉藻は始めから銀髪ではなかった

玉藻が初登場したのは第1巻の第11話「妖狐・跳梁跋扈の巻(前編)」で、このときはカラーでは描かれていなかった。おそらく初期にカラーで描かれたと思われるのは、第2巻の表紙のイラストで、ここでは玉藻は金髪キャラになっている。

 

 

この「玉藻の髪の色が漫画とアニメで違う理由」について、岡野剛は「元ネタが伝説の妖狐・玉藻の前(金毛九尾の狐)なので金髪のつもりだったのですが。

アニメの企画開始時ではまだ玉藻をフルカラーで描いた絵は存在せず、東アニさんが想像で色を付けたから。

でもそれがすげーカッコ良かったのでそのままOK出しました。」とツイッターで説明している。

 

 

アニメから銀髪になったとすれば、セフィロスのキャラデザが影響を受けたのはマンガもあるだろうが、アニメでもありそうだ。

 

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作品発表の時期を整理 - ベルセルク、幽遊白書、ぬ~べ~、FF7

(ケモノバージョンの玉藻)

 

ここで、各作品が発表された時期を整理してここに載せておく。

後述する『ベルセルク』もここに記載。

 

【作品発表時系列】

マンガ『ベルセルク』:1989年8月から現在に至るまで連載

アニメ『剣風伝奇ベルセルク』:1997年10月8日から1998年4月1日まで放送

マンガ『幽遊白書』:1990年51号から1994年32号まで連載

アニメ『幽遊白書』:1992年10月10日から1995年1月7日まで放送

マンガ『ぬ~べ~』:1993年38号から1999年24号まで連載

アニメ『ぬ~べ~』:1996年4月13日から1997年6月21日まで放送

オリジナル『FF7』:1997年1月31日に発売

 

最後に発表された『FF7』

作品発表時系列を見てわかるように、発表されたのはセフィロスが登場する『FF7』が一番最後になる。

セフィロスの影響源が各マンガだという前提だと、十分影響を受けるまでの期間が空いている。

『ぬ~べ~』に関しては、アニメから影響を受けたとしたら、アニメ『ぬ~べ~』が96年4月13日放送開始で『FF7』が97年1月31日発売と発売までの期間が短いので、判断が難しい。

ただ、当時のゲームは今よりも開発ペースが早いため、この短期間でも他作品からの影響によってキャラデザインが発売までに変わる可能性はある。

 

似すぎ!セフィロスと玉藻のキャラデザ比較

ここまで触れてきたように、セフィロスと玉藻はキャラデザでかぶる部分が多い。

改めて、マンガ『ぬ~べ~』を読み返してみると、たしかに玉藻はセフィロスに似ている……。

 

 

↑こちらは、オリジナル『FF7』の野村哲也が描いたセフィロスのイラスト。

服装に関しては黒いコートやズボン、ブーツなどを着用していて黒が基調となっているが、両肩には鎧やアーマーのようなパーツを装着している。

実は、この服装にかなり似ている玉藻のイラストをマンガ『ぬ~べ~』から見つけてしまった……!

 

 

漫画『ぬ~べ~』第13話「鬼の手VS.火輪尾の術の巻」(第2巻)の扉絵です。

 

どうでしょう?

上のセフィロスのイラストと比べればかなり似ていることがわかる。

この二つの共通点で挙げられるのは服装では、黒を基調としていること、そして両肩周りのアーマーだろう。

ついでに、セフィロスの特徴である触覚のようなトンガリも玉藻から影響を受けていそうなことがわかる。

 

この玉藻のイラストを見て、私はセフィロスは玉藻に影響を受けていると確信しましたね。

このイラストでは髪の色はわからないが、連載初期にこのイラストがあるということは、『FF7』が影響を受ける期間は十分ある。

 

(セフィロス!?いえ、玉藻です)

 

ちなみに、この玉藻の肩のアーマーは(少なくともこの13話)本編では着用していない。

 

グリフィス - もう一つのセフィロスの影響源

実は、玉藻以外にもセフィロスの影響源と思われるキャラがいる。

それは、『ベルセルク』のグリフィスだ。

見た目では、白髪あるいは銀髪そして長髪、服装では鎧を着ているなどの共通点がある。

セフィロスの鎧は部分的なものだが。

 

 

名前に関して言うと、「グリフィス(Griffith, Griffithsなど)は、英語圏(主にウェールズ系)の姓。「グリフォンの王」を意味する。」(Wikipediaより)、ということで「グリフォン(フランス語: griffon, gryphon)、グリフィン(英語: griffin)は、鷲(あるいは鷹)の翼と上半身、ライオンの下半身をもつ伝説上の生物。」であり、グリフィス≒グリフォンということになる。

 

(グリフォン)

 

上のイラストのように、グリフォンにはが生えていて、「片翼の天使」が異名であり実際に片翼が生えるシーンがあるセフィロスとの共通点がある。

さらに、「例えばグリフォンは風評によれば"背に黒い羽根を負い、胸は赤く、翼は白い"としている」(Wikipediaより)のように、黒い羽や翼が白いというのは、セフィロスのイメージと重なる(赤は関係ないが)。

下のラスボス形態のセフィロスの姿はかなりグリフォンのようなケモノに近いものになっている。

 

(セフィロスラスボス形態)

 

あと、単純に「グリフィス」と「セフィロス」で名前が似ている。セフィロスの名前は、はカバラの生命の樹「セフィロトの木」が由来と言われている。

 

森川智之という声優の共通点

玉藻を演じるのもセフィロスを演じるのも森川智之という点で共通点がある。

それに加えて、『ベルセルク』のグリフィスも旧アニメ『剣風伝奇ベルセルク』では森川が演じている。

同時期の作品なので、単純に似たようなキャラクターを売れっ子の森川が演じた、というだけの可能性もあるが、ここまでキャラと声優が重なっているのは面白い。

 

さらに、グリフィスは2012-2013年に公開された3部作の劇場アニメと、2016年7月から放送された新アニメでは声優が変更されている

森川の後を継いだのは、なんと『FF7リバース』などでクラウドを演じている櫻井孝宏だ。

『FF7』が大きく影響を受けていると思われる『ベルセルク』において、グリフィスというキャラがセフィロスとクラウドという中心的なキャラクターと重なっているのも面白い。

 

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