sibafutukuri

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きょうは猫の日なんだったんだにゃ

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  きょうは猫の日であるんだな。

  早朝、すっかり明るくなった空のもとの灰色コンクリートを歩く、その数メートル眼前の側溝の蓋のうえの辺りで、前足をピンピン、後足をそれより数センチ長くピンとピン、として寝そべる鼠色と茶の混じった肌の細目の猫がいるんだ。おはよう外出でございます猫と出くわすことで、朝が始まるってことなんだな。

  そして、もう日も落ち月は雲隠れ。道々では街燈があるからわたくしは蒸し暑い外気を肌と口で呼吸しながら歩けるんだな。Y字になった木の枝みたいに敷かれた道路をストレートしていて、右折を切り込むとする。すると、カッティング最中の斜めな視線に、黒闇のなかでぼんやりと止まって揺れる光の白い肌で、ピンと全脚を地面の灰色コンクリートに突ん立てて佇んでいるんだな。

  わたくしの姿が見えるか、気配を察知するや否や。白肌のキャシーはそちらの白線を瞬時に跨ぎ、こちらの線もまた同じ。対象と体の距離が長かったからこそ、首のふり幅はさほど広くなく猫の残像を三匹まで数える頭と目の仕事ができたんだな。

  またまた白いガードレールをも飛び越えて、道路の側面に建てられた民家の敷地に侵入を成功させるんだ。目撃す。だが、止まる。猫、止まる。どこで止まる、柵で止まる。マッハのムーブから、柵の十センチもない隙間に白くてぬるぬめする軟体を通す様もまた感嘆に値するが、どこの先までも白く丸細い尻尾がそこをパスすることはなく、体の三分の二は別領域に在れども、見事なまでの絶対零度の静止によって、三分の一の実体は我らのテリトリーに未だ預かる。

  だが、それで終わらぬ猫止まる。体の前方はたしかに未知の領域へと渡った。その保証は猫も地面を潤い這う蚯蚓もしてくれる。では、何か。猫の頭。猫の頭は二つの伸びるアンテナと、小さき額でわたくしから見て、猫が元通ったルートの右の黒柵のルートを逆走しだす。だが、三分の一の体はこちらにあるんだし、残りの二分はあちらへ居る。首がまた見えるのは、尻尾を噛みたい気分なミドガルズオルムなのか。いやそうではなくて、わたくしはその二つの白月にみつめられる。見透かされる。いまでも、その白月は何もみていないようでなにもみている。わたくしもわたくしの身体も実はみていないようで、すくなくともその白月はみるためでなくみつめるためでしかなく、警告を発す様。


  もし、わたくしが呪詛を容れられた器であるのならば、原アニマは器であり器は原アニマであると示す猫と生活を踊ろうではないかにゃ。




Lali Puna - Remember? (2010) *** video CAT SOUP ***