sibafutukuri

ゲームの攻略情報・感想、音響系音楽、文学、アニメ、映画などについて書こうかなとおもっています。

文学

又吉直樹さんのデビュー中編小説「火花」について

文學界 2015年 2月号 (文学界)出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/01/07メディア: 雑誌この商品を含むブログ (13件) を見る 気づけばここ一年ほど、毎月『文學界』を購読している。もはや日々の習慣の一部になってしまっている。藤沢周さんの連作はおわ…

2014年12月の読書

狂ったように本を読むこともある。 「読書メーター病」みたいなもので、とりあえず読んだ冊数を増やしたくなる病気。 しかしそれよりも、2015年はもっと落ち着いて本を読みたいなとおもう。 数字ではなく、よい本をよりよく読むということが理想。 そして、…

2014年11月の読書

2014年11月の読書メーター読んだ本の数:10冊読んだページ数:2777ページナイス数:92ナイス ■フィクション 前夜(上) (講談社文庫)の感想 放浪者ジャック・リーチャーがまだ現役の軍警察だった頃の話。ベルリンの壁が崩壊した1989年大晦日から物語は始まり、…

上田秋成に見るアンビエント

上田秋成の『春雨物語』を現代語訳で読んでいて、こういう文章があって驚いた。 雨が降って、宵の間から何の物音もしない。今夜は母親の戒めに背いてしまい、丑の刻(午前二時頃)になってしまったであろうか。雨はすでにやみ、風も吹いていない。月も出た…

2014年10月の読書

2014年10月の読書メーター読んだ本の数:14冊読んだページ数:3730ページナイス数:128ナイス ■フィクション シルトの岸辺 (ちくま文庫)の感想 近代の架空の国家間の休戦状態を舞台とした20世紀フランス文学。長編だし一々くどい文体は疲れるのだが、この酷…

2014年9月の読書

9月は21冊読了。 ぼくとしては多い方だ。 なぜこんなやたらめたらと本を読んだかというと、 8月までプレイしていたPS Vitaが故障して動かなくなったせいだろう。 確実に。 その反動で、余った時間はほとんど本へと向かった。 良くも悪くも、という感じだが。…

SFの国でのSFの日

日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1)作者: 小松左京出版社/メーカー: 小学館発売日: 2005/12/06メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 266回この商品を含むブログ (135件) を見る 昨日、京王線の芦花公園駅で降りた。世田谷文学館で開催している「日本SF展・SFの…

2014年8月の読書

2014年8月の読書メーター読んだ本の数:13冊読んだページ数:3813ページナイス数:84ナイス ■フィクション ギフテッドの感想 一気読み系の面白さ。謎の臓器を持った少数の子供たちが見つかり「ギフテッド」と名付けられ、しかも超能力を使えるんじゃないかと…

つぎのまえの文学界

文学界 2014年 09月号 [雑誌]出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/08/07メディア: 雑誌この商品を含むブログ (2件) を見る つぎの『文學界』が出るまであと数日だ。 ちなみに文芸誌の発売日はわたしが知るところ毎月7日。 ということで、焦って読み終わっ…

panpanya 『蟹に誘われて』

蟹に誘われて作者: panpanya出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2014/04/25メディア: コミックこの商品を含むブログ (19件) を見る panpanyaさんのシュールで夢想的なマンガ作品集『蟹に誘われて』。数カ月前に買ってさっき読み終わった。読み切りの連続なので…

2014年7月の読書

2014年7月の読書メーター読んだ本の数:10冊読んだページ数:2851ページナイス数:75ナイス ■フィクション ムントゥリャサ通りでの感想 ルーマニア語で書かれたルーマニアが舞台の幻想小説。タイトルや装丁から滲み出る奇妙さの通り、不思議で理解の追いつか…

2014年6月の読書

2014年6月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2911ページナイス数:69ナイス ■フィクション 百年の孤独 の感想 幽霊になって現れる先祖、何カ月も何年も降り続く雨、豚の尻尾を持った子供、老婆の目が見えなくなっても生活ができ、周囲の人々が…

2014年5月の読書

森博嗣さんの『スカイ・クロラ』シリーズを三巻まで読んだ。 押井守監督のアニメもいいが、原作もいい。 鶴田謙二さんのイラストも。 しかし最近はゲームばかりして映画ばかり観て、 ほとんど本を読んでいない。 6月も読書量が少なそうだ。 反省。 2014年5月…

2014年4月の読書

2014年4月の読書メーター読んだ本の数:15冊読んだページ数:4473ページナイス数:72ナイス 「安部公房と小林泰三」(2014.04.27) ■フィクション 玩具修理者 (角川ホラー文庫)の感想 悪夢みたいな怪奇小説。第一作品集。「玩具修理者」は怪奇でありながらファ…

安部公房と小林泰三

玩具修理者 (角川ホラー文庫)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1999/04メディア: 文庫購入: 17人 クリック: 328回この商品を含むブログ (97件) を見る 小林泰三 - 玩具修理者 (角川ホラー文庫) 悪夢みたいな怪奇小説。第一作品集。「玩具修理…

2014年3月の読書

2014年3月の読書メーター読んだ本の数:10冊読んだページ数:3183ページナイス数:121ナイス ■フィクション 新装版 キリング・フロアー 上 (講談社文庫)の感想 映画化されたジャック・リーチャーシリーズ『アウトロー』の原作一作目。しかしいきなり殺人罪で…

2014年2月の読書

2014年2月の読書メーター読んだ本の数:11冊読んだページ数:2667ページナイス数:48ナイス ■フィクション オラクル・ナイトの感想 貴重で新鮮な読書体験をした。物語内物語が大好きなオースター。今まで読んだ『ムーン・パレス』、『幻影の書』でもよく登場…

ポール・オースター 『オラクル・ナイト』 - n次世界の氾濫による一次世界への自覚

オラクル・ナイト作者: ポールオースター,Paul Auster,柴田元幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/09メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 50回この商品を含むブログ (43件) を見る ポール・オースターの『オラクル・ナイト』。中盤か後半まで退屈でうん…

2014年1月の読書

2014年1月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2305ページナイス数:46ナイス ■フィクション Dr.インクの星空キネマの感想 Dr.インクという脚本家がいる。ぼくらの見る夢はそのDr.インクの書く脚本をもとにして脳内で映像化される。ぼくが夢を見…

読みたい本はどこへ行ったか

傍に何冊も本が積まれているし、Kindle Paperwhiteにも 読まなければいけないような本がいくつか収まっている。 でもいま、自ら進んで読みたい本なんてない気がする。 あるのかもしれないが、そうでない本の方が多すぎて。 読まなければならない本、 それが…

2013年12月の読書

バルトの『明るい部屋』はよかったなぁ、と読んでから数日経って改めて思う。また別の写真論を読みたくなる。自分で写真を撮らないから、せめて本を読むことで関わりたくなっている気分なのかもしれない。 写真家の畠山直哉さんの名前が最近よく目に留まる…

2013年11月の読書

2013年11月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2637ページナイス数:65ナイス この11月はKindle Paperwhiteを購入した月ということもあってか、いつもの半分くらいしか本を読めなかったな。Kindle PWではカフカの短編などをちょくちょく読んで…

藤沢周 『幻夢』 - 現実と妄想のクロスフェード

幻夢作者: 藤沢周出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/08メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る 藤沢周さんの短編集『幻夢』を再読した。調べてみるとちょうど一年前の2012年11月に初めて読んでいた。 たまらず読み返したくな…

2013年10月の読書

2013年10月の読書メーター読んだ本の数:15冊読んだページ数:3369ページナイス数:112ナイス こうして並べてみると、最近はフィクションよりノンフィクションをよく読んでいる気がする。意識している部分もあるのだが。小説類ももっと読みたい気持ちはある…

2013年9月の読書

2013年9月の読書メーター読んだ本の数:14冊読んだページ数:3466ページ ■フィクション 刺青 (河出文庫―文芸コレクション)の感想 96年頃に書かれた中編。近親相姦、姉が亡くなったことでおかしくなり妹と姉を混同しがちな母親、家庭崩壊寸前。ここまでありが…

2013年8月の読書

2013年8月の読書メーター読んだ本の数:14冊読んだページ数:3866ページ ■フィクション 太宰治賞2013 (単行本)の感想 受賞作以外は読みたいと思ったが読めなかった。受賞作「さようなら、オレンジ」は納得できる作品。これは芥川賞を受賞してもおかしくない…

2013年7月の読書

2013年7月の読書メーター読んだ本の数:20冊読んだページ数:5138ページ ■フィクション さだめ (河出文庫)の感想 AV業界の話なんだけど、これ読んでからというものAVや裸になりつつある女優を素直な気持ちで見られていないことに気づく。なんだか心に、街で…

藤沢周 『さだめ』 - AV女優スカウトマン視点

さだめ (河出文庫)作者: 藤沢周出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/01/06メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (10件) を見る 藤沢周の『さだめ』を読んでいる。 河出文庫から出ている。 AV女優のスカウトマンが主人公という、悪趣味な…

2013年6月の読書

今回、「フィクション」と「ノンフィクション」という区切りを付けてみた。以前からそういう並べ方をしたいたけれど、明記はしていなかった。忘れていなければ次回からこれでやっていこうとおもう。 『ジョジョの奇妙な冒険』の作者の荒木飛呂彦さんによる…

藤沢周 『幻夢』 - タケヤブヤケタ

幻夢作者: 藤沢周出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/08メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る キューブBの部屋から、ポテトチップスやサキイカの残った銀色のトレイと、グラスを運び出す。 残骸。残骸。 だが、それでも腹が…