【解説】『ゴッドオブウォー』 アトレウスと母フェイの正体
PS4版『ゴッドオブウォー』(God Of War)のキャラクター解説です。
アトレウスと母フェイの正体や、ほかの主要キャラクターのクレイトス、バルドル、フレイヤを実際の神話と比較して解説・考察します。
以下、ネタバレを含みます。
↓続編の記事もあります。
目次
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クレイトス
主人公。神々の命により、神をも殺す戦いに身を投じることとなる。ギリシャ神話の神クラトスがモデル。尚、クラトスはギリシア語で「力」を意味する。
元はスパルタの戦士。かつてはその勇猛果敢さで、たちまち数千の兵士を率いる将軍にまでのぼりつめた。しかし蛮族との戦いのさなか、軍神アレスの加護を求めたことでその人生は狂い始める。
手にする得物は、そのときアレスより授けられた「ブレイズオブカオス」。冥府の奥底で鍛え上げられたこの剣はアレスとクレイトスとの契約の証であり、手にした者に狂気をもたらす。
この力で彼は残虐な闘争を繰り広げてゆくがある日、アレスのたくらみにより自らの妻子を斬殺。
それ以来、彼の肌は妻と娘の焼かれた死体の灰がまとわりつき、まるで死人のごとく青白いものとなった。その風貌から「スパルタの亡霊」と呼ばれるようになる。
ゼウスの息子。
「半神半人」と呼ばれることもある。
旧作ではギリシャ神話が舞台だったが、本作では北欧神話の世界を舞台に旅をする。
息子:アトレウス 妻:フェイ
アトレウス(ロキ)
クレイトスとフェイの息子。
人間であり神であり巨人でもある。
「アトレウス」はスパルタの戦士の名前で、クレイトスが名づけた。
「ロキ」はフェイが名づけようとしていた名前。
ロキ(古ノルド語: Loki)は北欧神話に登場する悪戯好きの神。その名は「閉ざす者」、「終わらせる者」の意。神々の敵であるヨトゥンの血を引いている。巨人の血を引きながらもオーディンの義兄弟となってアースガルズに住み、オーディンやトールと共に旅に出ることもあった。
神話上のロキは「トリックスター」が代名詞にもなっている神で、いたずら好きであったり場をかきまわすキャラクターのイメージが強い。
本作のアトレウスは基本的に良い子なので神話上のロキのイメージとは少し異なる。
しかし、旅の中盤で神の力に溺れて調子に乗りすぎてしまったりと、邪悪な神になりうる兆候があった。
神話上では大蛇ヨルムンガンドはロキの子供。
本作でヨルムンガンドは、以前アトレウスに会ったことがあるかもしれないと言っている。
おそらく、本作のヨルムンガンドは未来からやってきた。
ヨルムンガンドは蛇の姿をしているが巨人族。
本作でバルドルの弱点を突いて死ぬきっかけを作ったのはアトレウス(ロキ)だが、神話上でもロキはバルドルを間接的に死なせている。
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フェイ
クレイトスの妻、アトレウスの母。
巨人族。
本作では始めから死んでいる。
森の木を切り、自らの遺灰を最も高い山からまくようにクレイトスに伝えた。
守護の木を切ることで神々にクレイトスたちの居場所が見つかり、山への旅も過酷なものとなった。
フェイの目的はヨトゥンヘイムの壁画を見せることや親子の絆を深めることにあったと思われる。
壁画には過去と未来のことが描かれていたが、フェイがどこまで知っていたかは不明。
本作でクレイトスが使う斧「リヴァイアサン」は、フェイがドワーフ兄弟鍛冶師のブロックとシンドリに作らせた。
本作のフェイは神話上の「ラウフェイ」がモデルだと推測できる。
ラウフェイまたはナール(古ノルド語: Laufey, Nál)は北欧神話の巨人ファールバウティの妻で、ロキ、ヘルブリンディ、ビューレイストの母であった。……
ラウフェイについては以上の他は何も知られていないが、息子ロキがアース神族とほぼ同等に扱われ、またロキがしばしば「ラウフェイの息子」「ラウフェイの子」「ファールバウティとラウフェイまたはナールの子」といったケニングで呼ばれ、父の名を冠したものよりも母の名を冠したもので呼ばれる場合が多いことから、ラウフェイもまたアース神族の一員であったとする仮説がある。
バルドル
アース神族のひとり。
オーディンとフレイヤ(魔女)の息子、トールの異母兄弟。
オーディンに使わされてクレイトスたちの家にフェイを探しに来た。
オーディンがフェイを探す理由はヨトゥンヘイムに行くため。
オーディンはラグナロクでの巨人族を恐れているから、巨人族の予言を欲しがった。
オーディンもバルドルも、フェイが死んでいることをおそらく知らなかった。
バルドルは母親のフレイヤに痛みを感じない不死身にさせられて、それを長い間怨んでいる。
唯一その術が無効なのがヤドリギだった。
本作ではアトレウスがたまたま身に着けていたヤドリギがバルドルに刺さることで、痛みを感じる身体に戻る。
これは、不死身だったバルドルをクレイトスが殺すきっかけになっている。
バルドルは神々の中でもっとも美しく万人に愛された。ある日から悪夢を見るようになると、これを心配した母フリッグは世界中の生物・無生物に彼を傷つけないよう約束させた。そのため、いかなる武器でも彼を傷つけることは出来なくなった。だがこのとき実は、たった一つ、ヤドリギだけは若すぎて契約が出来ていなかった。
傷つかなくなったバルドルを祝い、神々はバルドルに様々なものを投げつけるという娯楽にふけっていた。だが、ヤドリギのことを知ったロキが、バルドルの兄弟で盲目のために遊戯の輪から外れていた神ヘズをたぶらかし、ヤドリギ(ミスティルテイン)を投げさせた。これによりバルドルは命を落としてしまった。
ちなみに、神話上ではバルドルは蘇ることになっているが、そこでもロキが邪魔をする。
フリッグの頼みで、本当に全世界のあらゆる生物・無生物が彼のために泣いた。ところが、たった一人、巨人の女セック(ソック)が泣かなかったのでバルドルは戻ってこなかった。このセックの正体は実はロキで、このことから彼は神々に捕らえられ罰を受けることになった。
バルドルの死によって光を失った世界は、やがてラグナロクを迎える。『ギュルヴィたぶらかし』及び『古エッダ』の『巫女の予言』の伝えるところでは、オージンをはじめとして多くの神が死に、世界は滅ぶ。やがて新しい大地が浮かんでくると、バルドルはヘズと共によみがえってくる。
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フレイヤ
女神フレイヤ。
オーディンの妻でバルドルの母。
本作では物語序盤に「森の魔女」として登場する。
息子のバルドルを不死身にしたことでバルドルから長年怨まれている。
物語終盤でバルドルを殺したクレイトスを怨むようになる。
フレイヤ(Freja, Freyja)は、北欧神話における女神の1柱。ヴァン神族出身で、ニョルズの娘、フレイの双子の妹である。「ヴァンたちの女神」を意味するヴァナディース(Vanadís)とも呼ばれる。
神話上でオーディンの妻とされているのはフリッグであり、フレイヤは別の神として分けて考えられている。
(フリッグは)主神オーディンの妻でバルドルの母。最高位の女神。オーディンと共に玉座フリズスキャールヴに座す権利を持つ。フィヨルギンの娘。優れた予言の能力を持っているが決して口にすることはない。ロキの悪意によって息子バルドルを失う。
一方で、フレイヤとフリッグが同一人物だという考え方もある。
『古エッダ』や『ギュルヴィたぶらかし』では、戦場で死んだ勇敢な戦士を彼女が選び取り、オーディンと分け合うという記述がある。
なぜ彼女が主神と対等に戦死者を分け合うとされているのか、理由ははっきりしていない。戦死者をオーディンの元へ運ぶのはワルキューレの役割であるため、フレイヤが彼女たちのリーダーだからと考える研究者もいる。
あるいはフレイヤとオーディンの妻フリッグ(別名フリーン)は同じ女神の別の時期の名前であって2人は同一人物だった可能性もあるという。
フレイヤがオーディンの妻ならば死者を夫と分け合うのは不自然なことではない。
さらに、キリスト教への改宗が進んだ時期にはフレイヤがフリッグの地位を占めるようになっていたとも考えられる
本作の女神フレイヤは、名前がフレイヤだが家族構成や能力、地位などはフレイヤとフリッグの二人が混ざり合っているように思える。
そのため、上に引用した同一人物説を採用していると思われる。
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