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アニメの『ピンポン』をまた観た

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ピンポン(1) (ビッグコミックス)

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TVアニメ『ピンポン』PV




  アニメの『ピンポン』をまた観た。


  一ヶ月くらい前に、急に読みたくなって漫画の電子書籍版をまとめ買いして読み始めたら、やっぱり面白くて一気に読んでしまった。漫画のほうは初めてではないけど、一度目はかなり昔なので記憶が薄く、新鮮でもあった。


  自分としては、初めて『ピンポン』に触れたのは窪塚洋介主演の映画版で、音楽面も合わさってかなりハマって今でも好き。それも10年以上前か。


  湯浅政明さんが監督をやってる深夜アニメ版のやつでさえ、最近な気がしてたけど放送してたのは2014年か。当時、リアルタイムで毎週楽しみにしていた。


  それでまた観たくなったんだけど、全11話なのでこっちもまたサクッと観終わったしまった。面白かった。




  ペコがヒーローで、救われたのはスマイルだけかと思ってた、今まで。アニメ版は一番キャラクターを掘り下げているように思える。風間、佐久間、孔文革(コン・ウェンガ)の三人のサブキャラが特によく描かれていて、それぞれに感情移入できてしまう。


  漫画でも映画でも気づかなかったんだけど、風間、佐久間、孔の三人もまたペコに救われていたんだなと。救われ方というのは三者三様だろうけど。直接でも間接的にでもペコに負けたとしても、ペコはどんどん強くなってどんどん上へと飛んでいく。上の世界を見せてくれる。


  ペコが超越的な存在になることで、自分は無理しないで立っていられるところにいいんだ、と。消極的な方向ではあるけど、張り詰めた生き方から解放されるってのは気持ちいいものなんじゃないか。


  ペコを指導したオババも、ペコに救われたスマイルを指導した小泉先生もまた救われたんじゃないか、と思うところ。




  アニメ版では、ドラゴンこと風間竜一が特に人間として掘り下げられている。海王学園理事長の風間竜(じじ)のセリフで「下手な商売やってるから変な病気にもなる」とドラゴンの父親のことを批難している。そのセリフと、ドラゴンの回想で山を登って父親が「鳥は自由でいいなー」みたいなことを言っている場面がドラゴンのトラウマになっているようで。


  その二つを合わせて考えると、ドラゴンの父親はうつ病になって幼少期のドラゴンの前で飛び降り自殺をしたんじゃないか、と予想できる。そこらへんはボカされていて、あくまでも仮説でしかないけど。「変な病気」という表現は、今ほどうつ病が世間的に理解されていない時代なら、そういう風に言われることもあるように思える。


  そんな過去があったドラゴンが、最終話ではスマイルと語らってる場面では随分楽そうに見える。スマイルの「卓球に賭ける人生も悪くないと思います」という言葉に対して、「嫌だよそんなの…絶対」と答えたドラゴン。




  漫画もいいし映画もいいしアニメもいい、それが『ピンポン』。これだけメディアミックスに展開して全てが上手くいっている作品ってのはそんなにないように思える。いかに原作の漫画のレベルが高く、かつポテンシャルを秘めていたかってことだと思ってるけど。




  2016年4月18日発売でこんなの出るのか。