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sibafutukuri

音響系音楽、文学、アニメ、映画あるいはゲームの感想、攻略などについて書こうかなとおもっています。

2015年12月の読書

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2015年12月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3606ページ
ナイス数:94ナイス


■フィクション


エピローグエピローグ感想
  これは小説家としても小説としてもこじらせている、としか言いようがない。小説とは何か?更には日本語とは何か?を問うてしまっている思考は姉妹本の『プロローグ』に記述されているが、その思考を持った頭でSF雑誌に小説を書いてしまったらこうなってしまった、というような体裁。決して人には薦められない。馬鹿真面目に読んでいて、書き手も読み手も馬鹿なんじゃ?と思い始める。だが、嫌いじゃない。著者が一部の脚本を書いたアニメ『スペース☆ダンディ』の影響だろうか、縦横無尽するx次元の世界をアニメーションで見たくなる。
読了日:12月31日 著者:円城塔





百万ドルをとり返せ! (新潮文庫)百万ドルをとり返せ! (新潮文庫)感想
  定年退職で職場を辞める人が席を片付けていて、ゴミ箱に捨てようとしている直前に、「いる?」と訊かれて断りづらいので受け取った昭和の遺物のような新潮文庫。初版は昭和52年。義理で読み始めてみれば序盤こそ退屈だけど、次第に雪だるま式に面白くなってくる。株取引で詐欺のカモになった四人が集結して、影のボスを詐欺で仕返しして100万ドルを取り返そうという話。サスペンスでもありコミカルでもあって、「詐欺映画」とい点で作中で話題になっている『スティング』に近い。映画化はされていないみたいだけど、ぜひ映画で観てみたい。
読了日:12月12日 著者:ジェフリーアーチャー





偶然の音楽 (新潮文庫)偶然の音楽 (新潮文庫)感想
  親友が殺されたきっかけになったその殺したやつの身内の幼い男の子が、ひたすら石を積んで壁をつくっている作業中にやってきて、遊んでもらおうとなついてくるが、男はその男の子に堪えようのない殺意を抱いて葛藤し、ついにはハロウィンの仮装をして現れた骸骨の姿をした男の子は死を象徴し、男になにかを伝えようとしているかのようだ。その場面だけ、極まっている。他は『ミスター・ヴァーティゴ』の系列のなにも面白くない普通のお話で腹が立ってくる。作風がここまで違うとアングラな音楽家みたいに作品ごとに名義を変えてほしいと思えてくる。
読了日:12月6日 著者:ポールオースター





マイトレイ/軽蔑 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-3)マイトレイ/軽蔑 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-3)感想
  エリアーデの「マイトレイ」は告白小説であり見事な異国的恋愛小説。でも、自分が作者に求めているのはこれではないので多くの人に読まれる全集に収められている作品がこれなことがとても残念。イタリアの作家モラヴィアは全く知らなかったけど、読んでみたら「軽蔑」はサスペンスのある愛の葛藤のような夫婦の話でとても面白い。夫も大概だが、妻は自己中心的だったり心を開かないことで結果的に最低の女になっていて、こんな人間いないだろっと思ってしまう。夫婦関係が夫が書こうとしている「オデュッセイア」の映画の脚本に巧く絡みついてくる。
読了日:12月5日 著者:アルべルト・モラヴィア,ミルチャ・エリアーデ





転落・追放と王国 (新潮文庫)転落・追放と王国 (新潮文庫)感想
  中編の「転落」と「追放と王国」と題された短編集の集まり。「転落」と短編群ではまた雰囲気がちがうが、どちらにせよ「カミュってこんなだっけ?」と思うようなところは共通する。短編のいくつかはヨーロッパでもアメリカでもない、アルジェリアなどのアフリカ大陸が舞台となるのだからエキゾチックな感覚になる。実のところ丸々一冊、読んでいて内容がほとんど頭に入ってこなかった。でも、それぞれの作品の風景描写は詩的で好きなものだった。
読了日:12月5日 著者:カミュ





リーンの翼 2リーンの翼 2感想
  長い戦いだった。聖戦士・迫水真次郎の戦はひとまず終わった。剣の争いに銃器が混ざり始める点でも戦国時代みたい。一方、『指輪物語』や『ホビットの冒険』のような中世のファンタジーらしくあり、個人的には『ファイナルファンタジータクティクス』や『タクティクスオウガ』を思い出す。妖精のようなフェラリオのノストゥ・ファウが可愛らしく、読んでいると『エルガイム』のリリス・ファウの姿が頭に浮かんでくる。三巻からようやく読みたかったOVAでの現代のストーリー。ここまであまりに長かった。
読了日:12月5日 著者:富野由悠季





■ノンフィクション


一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル (講談社文庫)一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル (講談社文庫)感想
  かねてから興味はあり文庫化を機に読み始めてみると、これは面白い。でも、この本はどうやら誤解されやすいらしく自分も恣意的に好きなように読み変えてしまっている気もする。それだけルソーの唱えた「一般意志」なる概念が抽象的で夢じみているということもあるが。著者が自ら言っているが、単行本が刊行された時期が悪かった。2011年11月で、3.11から半年ほど。人々が政治に敏感になっている時期には確かに誤解されてもしかたがない。自分の場合、今このタイミングで読めてよかったのかもしれない。4年前の本だが内容はむしろ新しい。
読了日:12月31日 著者:東浩紀





レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書 410)レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書 410)感想
  未だに「レイヤー」の概念が掴めていないが、宮台真司さんが言った島宇宙化する社会の発展系みたいな感触。民主主義とは何か、西洋化された社会は当然のあり方ではなくて、国家という区分も一時の考え方に過ぎない、と。それを説明する前提の世界史の部分が長すぎる気もするが。アップルやグーグルの起業を例えとして、国家の枠組みを超える営みの在り方を示していて分かり易い。グローバル化とか国家の境界が曖昧になるという見通しは、同時期に読んだ東浩紀さんの『一般意志 2.0』にも繋がる部分があるように思える。
読了日:12月31日 著者:佐々木俊尚





キズナのマーケティング ソーシャルメディアが切り拓くマーケティング新時代 (アスキー新書)キズナのマーケティング ソーシャルメディアが切り拓くマーケティング新時代 (アスキー新書)感想
  「キズナのマーケティング」というタイトルだけど刊行は2010年4月。つまり3.11の前。それなのに「キズナ」というキーワードを使っていて先見性を感じる。著者が本の中で言っているのは、SNSを使ってマーケティングするにしても相手との人間関係を大切にしろ、ってことだけど。専門用語が多い部分もあり読み進めるだけでは中々頭に入ってこない。ただ、巻末のマイクロソフトソニーなどの担当者のインタビューは実績として分かり易く面白い。
読了日:12月31日 著者:池田紀行





いのちを守るドングリの森 (集英社新書)いのちを守るドングリの森 (集英社新書)感想
  著者の宮脇昭さんは植生学を研究してきた人で、本書にも専門的な部分はあるけど、植樹の実践の記録が紹介されている部分が多く読み易い。木々が生い茂っていればそれは自然だと思ってしまうんだけど、大半は人の手が加えられているという意識は持っていたほうがいいんだろう。樹を植えたくなる。
読了日:12月31日 著者:宮脇昭





ブラジルから遠く離れて1935-2000ブラジルから遠く離れて1935-2000感想
  薄紅という色合いでフランス語らしき言語が印字された素敵な装丁で、中には写真がいくつかあり手に取ってみる。文化人類学者の今福龍太さんとサウダージ・ブックスの淺野さんによる共著。レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』を回顧するような内容だけど、展示会や対談などがまとめられたものなので、ちょっと情報としては物足りない。造本もページのデザインも凝っているので、一つの物として傍に置いておきたくなる本。
読了日:12月31日 著者:今福龍太





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