sibafutukuri

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つぎのまえの文学界

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文学界 2014年 09月号 [雑誌]

文学界 2014年 09月号 [雑誌]


つぎの『文學界』が出るまであと数日だ。
ちなみに文芸誌の発売日はわたしが知るところ毎月7日。
ということで、焦って読み終わっていなかった
2014年9月号の『文學界』を消化しようとするここ数日。
挟まった紀伊國屋のレシートによると買ったのは8月8日。
ハハ。


順調に読んでいって最後の方に載っている、
円城塔さんの『プロローグ』。
これは、買ってからすぐに読んでおいてので飛ばそーっと。
っと、思ったが中をちらりと覗くとあまり見覚えのない文章ばかり。
焦る。


読んだはずなのに。
ちなみに第五回目の連載。
もしや、わたしが読んだ後に内容が書き変わってしまったのか。
それともわたしが読んだと思い込んでいるだけなのか。
とうぜん、後者だろう。
わたしの勘違いだ。
決して、『プロローグ』の第五回目にAとBというような
二つのパターンがあるわけではないだろう。
ましてはAKB商法みたいに48通りの種類があるわけもあるまい。
ランダムで選ばれた小説を読む読者の気持ち。
考えたこともない。
書く側とすれば、それこそ機械に書かせたいところだろう。


しかし、この『プロローグ』というのは面白い。
真面目にふざけているような内容だ。
私小説にクエスチョンの付く類のものだ。
面白い、が先が気になる話ではないし、
そもそも話が繋がっているのか五回目にしてよくわからない。
登場人物も多い、というか忘れていることもあって把握しきれていない。
だから、仮にこの五回目を読み飛ばして永遠に気づかずとも
なにも問題ない気もするのだった。
でも、そういう感覚になる小説も悪くはない。
『プロローグ』自体がそういう小説であり、そういう考え方をさせられる。


そうして五回目を頭の中では二度目の気分で読み始める。
やはり読んだことはなかった。
すくなくとも、わたしがこのわたしである限りでは。
そして、相変わらず狐につままれたような気分になる読後感だ。
そういう感覚はそうそうない。
小馬鹿にされている気がするけど怒る気はしない。
知的なイタズラだ。


一冊を通して最後の方に来たので読み終わった気分でもあるのだが、
なんだか消化不良な気もする。
雑誌なのですべての掲載物を読むわけではないが、
なにか読みたいもの、読むべきものがなかったか探す。
文學界』で言うと、創作小説は連載にしても短編にしても飛ばしがちだ。
読みたいとおもう小説は限られているのだ、意外に、残念ながら。
藤沢周さんと円城さんを読むために買っているようなものなのだ。
そうして、まだ読みたいものがあったのを見つけた。
これを読んで9月号は読了としよう。
小谷野敦さんの中編(?)小説「ヌエのいた家」。


そして毎回読んでいる穂村弘さんの連載コラム「も詩も詩」は
あいかわらず今回も面白かった。
言葉を意外な視点から切り取って取り上げてくれるので、
言葉の面白さを度々再認識させてくれる。
穂村さんのものはまだ一冊の本を読んだことはないので、
近々なにか読みたいとおもう。



前号が消化しきれていないせいで
数日前まではつぎの『文學界』の刊行がゆううつだったが、
いまでは楽しみになってきている。
7日以降の書店へ早く行きたくなっている。