sibafutukuri

ゲームの攻略情報・感想、音響系音楽、文学、アニメ、映画などについて書こうかなとおもっています。

若干のパラダイス

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二日酔いだろうか
夕方七時
さして腹は減っていないが
習慣のために済ませておきたい食事
酒を飲みながら
あまったるく生ぬるいカレー
温度は確かに熱いのだが
食感も辛みのなさも生ぬるい
だから食事はめんどうだ
タバスコを何滴も垂らした
猫のやつが飯をくれと鳴く
びみゃあ
飯も水も器に入れてやる
ひと粒でもいち秒でもはやく
獲物を食らいたい彼らだ
おれはスプーンでカレーを掬う
口へと運ぶ
フィジカルに
横軸へと
瞬きひとつで
感覚が10センチくらい飛んだ
酔っているだけなのか
カレーに変なものでも入っていたか
覚醒剤のようなタバスコだ
メキシコに10センチちかづいた
裸眼なせいもあって視界も
震える両手との間隔も疑わしい
ふだんの意識も意思もズレていく
現在の実際のこのボディと
おれの持つ間隔の位置が一致しない
飯をやったのに猫が鳴く
みにゃあ
手で誘って腹を撫でてやる
悲鳴を上げる
びゃあ
タバスコの瓶を掴む
もう何滴も垂らしてやりたくて
小さな赤く丸い蓋が逃げる
床へと転がる赤
鼠を追うかのような猫のやつ
捕まえた
舐めた
悲鳴を上げた
断末魔のようだ
んびゃあ
酒を飲む
外へと逃げていく
タバスコとカレーと白米を混ぜる
暗闇へと見えなくなる
カレーを食べる