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『ゴーン・ベイビー・ゴーン』の感想

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Gone Baby Gone (trailer)




  ゴーン・ベイビー・ゴーンを観た。ベン・アフレックが監督。ベン・アフレックは出演していないが、観ていて彼の存在を自然と感じさせる。なぜなら弟のケイシー・アフレックが主演で出ているからだけど。エンドロールが流れるまでそれに気づかなかったんだけど。


  サスペンスでもありミステリーでもある。起伏の激しい展開のあるストーリーもいいしやっぱり「正しいこと」とは何か、と考えさせるテーマ性としっかりとリアリティのある映画にもなっているところがいい。


  正しいか間違っているか、悩んで葛藤したときは一旦リセットしたほうがいいんじゃないかと、観ていておもった。選択肢が現れたときに頑固に自分の「正義」を貫くひとは良くも悪くも自分の殻にこもってエゴイスティックな人なのだとおもう。


  この映画の場合、一つの選択が良かったのか悪かったのか結局わからないところが人生みたいで作った感じがしない。しかし、数十年後を見据えて自分は間違っていない、と確信を持ってしまうひともいるのだろう。自分だけの問題ならそれでいいかもしれないが、リスクを踏んで他人を巻き込んでギャンブルみたいなことをする行為が信じられない。


  ケイシー・アフレックが演じたキャラクターは探偵であり正義の味方みたいなものだけど、事件に深入りする動機やおせっかいをする動機が不透明におもえる。不自然なんだ。だから、ちょっとこの主人公は物語に動かされている感じがしてしまう。全体的にいいだけあって、そこが気になった。


  音楽について書いておくと、静かなシーンでの詩的な曲はボストンの街並みや人々などの風景と合っていて好み。音楽も土地柄も含めて、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』を思い出す。この映画はガス・ヴァン・サントが監督で、ベン・アフレックマット・デイモンが共同で脚本を執筆し二人とも出演している。ぼくの中で『いまを生きる』と並ぶ青春映画の傑作。




  『ゴーン・ベイビー・ゴーン』は日本では劇場公開されなかった。もったいない。映画好きの友人に薦められなければ知ることさえなかったかもっと先になってしまったかもしれない。




グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち - 予告編