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2014年1月の読書

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2014年1月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2305ページ
ナイス数:46ナイス





■フィクション


Dr.インクの星空キネマDr.インクの星空キネマ感想
  Dr.インクという脚本家がいる。ぼくらの見る夢はそのDr.インクの書く脚本をもとにして脳内で映像化される。ぼくが夢を見なかった日は、彼の執筆がぼくが眠るまでに間に合わなかった日だ。というお話がタイトルにもなっているDr.インクのお話。お笑いコンビ、キングコング西野亮廣さんによる短編絵本集。『オルゴール・ワールド』とこれで読むのは二冊目。西野さんの絵は偏執狂的に緻密で密度が濃く、最初は戸惑うだろう。でも、慣れるとなかなか心地よく、芸術の一歩手前とさえ思える。絵も巧いが、お話を作るのもなかなか巧い。夢が溢れる童話集。
読了日:1月31日 著者:にしのあきひろ




訴訟 (光文社古典新訳文庫)訴訟 (光文社古典新訳文庫)感想
  またの名は「審判」。「訴訟」は未完の草稿だ、という主義に立ったドイツ語の全集を原本にしていて、今までの「審判」と比較するとカフカの書いた草稿に忠実な「訴訟」になっているのだろう。でも、今まで勝手に出版されて勝手に編集されたことがそれほど罪だとは思わない。草稿のままで面白いという保証があるのか。より面白く、より売れる作品にするために編集という中間作業が必要だろう。むかし新潮文庫の「審判」を読んで凄く気に入っていたが、今回は二度目ということもあってかイマイチな読後感。大聖堂でのKと聖職者の対話はやはりいい。
読了日:1月9日 著者:フランツカフカ





アズミ・ハルコは行方不明アズミ・ハルコは行方不明感想
  前作『ここは退屈迎えに来て』が「地方ガールのための物語」という感じで面白かったのだが、今回はその地方性ばかりが強調されすぎてしまった感。地方出身の若者たちの群像劇みたいなものだが、彼らの悩みや葛藤をステレオタイプに書きすぎて結果的に内面性の薄いキャラしか作れていないような。共感は得られるだろうが、悪く言えば媚びているとも言える。事件の真相を追うサスペンス的な面白さが少ないのもよくない。『ここは退屈』がよかったので、また次に期待。そういえばBanksyの映画をまだ観てなかった。
読了日:1月5日 著者:山内マリコ





華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)華竜の宮(上) (ハヤカワ文庫JA)感想
  ハードでマジメなSF。ディックみたいなSF小説は楽しめるけど、こういうのはぼくには向いていなかったようだ。これを楽しめる人もいるんだろうけど、ダメな人にはとことんダメだろう。例えば人間を改造して崩壊する地球環境に備える、というようなSF的な発想にはワクワクするんだけど、外交のやりとりみたいな部分がとことん読む気が失せる。2013年に放送されたアニメ『翠星のガルガンティア』とすこし世界観が似ている。
読了日:1月27日 著者:上田早夕里





■ノンフィクション


セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史 (ソフトバンク新書)セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史 (ソフトバンク新書)感想
  『エヴァ』を中心にしてセカイ系について。『ほしのこえ』、『最終兵器彼女』、『イリヤの空、UFOの夏』が三大セカイ系作品らしい。東浩紀大塚英志笠井潔などの批評家の名前や発言が引用され、そして『ゼロ年代の想像力』で批評界に登場したばかりの宇野常寛も。『エヴァ』は95年頃の作品だが、他に言及されている作品はゼロ年代ばかりなのでこの本もまたゼロ年代のオタク文化評論みたいなものだ。分かり易く適度に面白く、そしてアニメなどを観たくなる。セカイ系は終わった流行だろうからこれを今読んだのは今更感があるが。
読了日:1月31日 著者:前島賢





定本 物語消費論 (角川文庫)定本 物語消費論 (角川文庫)感想
  80年代オタク日本時評。本書での「物語」とは例えば小説だけでなく、もっと広い意味の社会で信じられている言説のことであり、「神話」という言葉にも近い。だから、物語論ではなくオタク度の高い民俗学的な社会論。80年代末に書かれた文章が多く、ビックリマンチョコ昭和天皇崩御、「キャプテン翼」の同人誌というように扱われている題材があまりにも古い。でもその古さは表層的な部分でしかなく、この民俗学の方法で読み説かれていく様は面白くて、題材を置き換えるだけで現在にも未来にも通用しそうだ。民俗学はやはり面白い。
読了日:1月22日 著者:大塚英志





吹矢と精霊 (熱帯林の世界)吹矢と精霊 (熱帯林の世界)感想
  「熱帯林の世界」第四巻。マレーシアのスマッ・ブリと呼ばれる人々の暮らしの実地調査の記録。今まで読んだこのシリーズの本は、わりと著者の体験や著者と村人や自然との関わりが意外なほど多く書かれていた。が、本書は学術書らしく却下性が高く、すこし退屈した。しかし、迷信を信じて守る神話の影響下にある暮らし、そういう文化はやはり新鮮。シャーマンや彼らが信じる冥界の話などがあるのもよかった。
読了日:1月9日 著者:口蔵幸雄





『明るい部屋』の秘密―ロラン・バルトと写真の彼方へ (写真叢書)『明るい部屋』の秘密―ロラン・バルトと写真の彼方へ (写真叢書)感想
  大学教授や建築家などいろいろな方がロラン・バルトの『明るい部屋―写真についての覚書』について書いたものが集められた本。バルトの本を読み始める前に本書を読んでいたが、結局バルトの方を先に読み終える。バルトの本も難しいが、こちらもまた原典を難解に解説した文章が多く、あまり内容を覚えていない。しかしやはり『明るい部屋』は良い刺激だったのだ。一つ例を挙げるならば死刑囚を撮影した写真についてのバルトの言葉など。未来に訪れる死を待つ過去の死刑囚、それを見る現在の我々。過去に起ころうとしている未来、という時制の錯綜。
読了日:1月8日 著者:





読書メーター





Dr.インクの星空キネマ

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訴訟 (光文社古典新訳文庫)

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ここは退屈迎えに来て

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明るい部屋―写真についての覚書

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