sibafutukuri

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2013年7月の読書

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2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:5138ページ




■フィクション


さだめ (河出文庫)さだめ (河出文庫)感想
  AV業界の話なんだけど、これ読んでからというものAVや裸になりつつある女優を素直な気持ちで見られていないことに気づく。なんだか心に、街でスカウトマンにスカウトされる美人だけどトラウマや精神の弱ったどこか陰のある女の子たちの姿が浮かんできて、引っかかってしまうような…。あぁ、でもこの小説はかなりよかった。もっと読まれろ!藤沢周らしく業界のリアリティが上手く書かれ、AV女優スカウトマンの切ない心情が拾う情景が心に留まる。短いけど、極上の小説。あぁ、はやくもっと動物らしい気持でAVを見られるように戻りたい。
  「藤沢周 『さだめ』 sibafutukuri アニメとか音響音楽とか」。『さだめ』について、途中の感想。
読了日:7月16日 著者:藤沢 周





奇蹟のようなこと奇蹟のようなこと感想
  童貞の新潟の田舎のボンタン履いてパンチマーマ掛けた数十年前の不良高校生が主人公で、その「仲間」たちも他の高校生も田舎臭くてかっこ悪い。語り手の一人称が「私」であり過去形で語ることから30代以上のおっさんが回想しているようで、作中に藤沢さんの『心中抄』というエッセイのようなものと同じモチーフが二ヶ所はあったことから、途中から本人の実体験のようなものとして読んでいた。全体的に悪くない、個人的には好き。セックスへの異様な希望と幻想。少年臭い。数十年前の新潟の青年の気持ちなんて知るはずもなく、新鮮で、残像する。
読了日:7月8日 著者:藤沢 周





闇の奥 (光文社古典新訳文庫)闇の奥 (光文社古典新訳文庫)感想
  フランシス・フォード・コッポラ監督『地獄の黙示録』の原案。これを読もうと思ったのはそういえばアニメ『サイコパス』で狡噛慎也が読んでいたからだった。アフリカのコンゴの奥地に船でゆっくりと進んでいく話。その奥には不気味で狂気なカリスマ、クルツがいた。熱帯や黒人や食人族などの暗黒な雰囲気が物々しく、奥地へと引き込まれていく。ストーリーは大したことないが、語りすぎず、モネの絵画のように曖昧に仄めかすような文体が物凄く文学で、これは読まなければもったいない。しっかりと頭に入らない部分が多いので、また読むだろう。
読了日:7月13日 著者:ジョゼフ コンラッド





R62号の発明・鉛の卵 (新潮文庫)R62号の発明・鉛の卵 (新潮文庫)感想
  短編集。解説によると、昭和28年から32年にかけて安部公房が30歳前後の頃に発表された短編とのこと。わりと初期作品集ということになるのかな。「鉛の卵」はタイムトラベルもののSF小説としてかなり面白かった。傑作!他の短編が疑問の浮かぶものばかりだったせいもあってか、最後に読んだ「鉛の卵」でサッパリした。犬がいきなり喋りだす、みたいなそれってどうよ?と疑問の残る短編も多い。ただなぜか死んだら当たり前のように人間が魂になって彷徨う短編が確か二つあって、その書き方があまりに当然のようでその現象を信じそうになる。
読了日:7月29日 著者:安部 公房





モンスター (幻冬舎文庫)モンスター (幻冬舎文庫)感想
  整形の描写はリアルで痛々しいけど、ストーリーとしてはある意味スポ根的なシンデレラストーリーでファンタジーあるいは寓話的で面白い。また、女性の美醜とその中身の釣り合いや美意識という価値観について、社会学や心理学的に考えさせる場面も多く、ただ話が面白いだけでないのがこの小説の凄いところだろう。エンタメ小説なりに味のある作品だった。百田尚樹さんの作品は初めてだったので、他のも読んでみたい。
読了日:7月3日 著者:百田 尚樹





あの子の考えることは変 (講談社文庫)あの子の考えることは変 (講談社文庫)感想
  ツッコミがいなくて二人ともボケの漫才みたいで、シュールなんだけどそれで笑うことは難しかった。主要登場人物が20代女子二人で、場所は井の頭線上のみという感じだったか。その規模の小ささと妄想の過激さのギャップが面白みかもしれない。いま、本谷有希子さんのコラム集『かみにえともじ』を読んでいる。考えることが変なのは本谷有希子なんだな、とわかった。
読了日:7月7日 著者:本谷 有希子





乱暴と待機 (MF文庫ダ・ヴィンチ)乱暴と待機 (MF文庫ダ・ヴィンチ)感想
  これは文学より戯曲の本谷有希子だろう。って言っても文学の本谷有希子なんて存在したのか記憶がないが。でも、『生きてるだけで、愛。』は文学性も戯曲性もあった気がして、これに関しては評価するとするなら戯曲としてだけであって、文学とか小説としてまったく読む価値は感じられないものだった。特に言うことはない。
読了日:7月15日 著者:本谷有希子





江利子と絶対〈本谷有希子文学大全集〉 (講談社文庫)江利子と絶対〈本谷有希子文学大全集〉 (講談社文庫)感想
  粗々しい。三篇収録で、前の二篇はやけくそな無理に変にテンションが高くて、引いてしまうけど恥ずかしさをこらえてこれを書ききるのはある意味で凄くて、通過儀礼的な習作なのかなと思う。最後のは普通すぎた。洋画のサイコサスペンスっぽくあるが、まあ、粗い。本谷有希子に興味はあるが、外れを引くと落差が大きくて落ち込む。
読了日:7月17日 著者:本谷 有希子





がらくた (新潮文庫)がらくた (新潮文庫)感想
  読み終えてから二週間くらい経ってしまって今更タイトルの「がらくた」ってどんな意味だったんだ?と不思議に思う。女子高生とその父親と、旅先で出会った大人の女性とその母親の老婆と、女子高生の母親とかボーイフレンドとか、大人の女性の夫とか。人間関係が複雑に絡み合って関係としてはどろどろしているけど、描写はすごくあっさりしていて全体的にクリアでおしゃれ。女性の内の一人が美術関係の翻訳を仕事としていたりするせいだろう。この人間関係のごちゃごちゃさは今読んでる唯川恵さんの『瑠璃でもなく、玻璃でもなく』も近い。
読了日:7月29日 著者:江國 香織





病む月 (集英社文庫)病む月 (集英社文庫)感想
  2011年頃、深夜に『川面を滑る風』という地味だけど素敵なアニメがやっていた。ジブリの『耳をすませば』や『海がきこえる』のようなドラマ風アニメで好みだった。その原作が『病む月』収録の唯川恵さんの短編だった。『病む月』は石川県の金沢を舞台とした短編集。全体的に恋愛関係でどろどろしているけど、着物とか和菓子とかお香など和風のどこか生活離れした雰囲気があっさりしていて素敵で、その混ざり具合が心地いい。唯川恵さんは初めて読んで、他のも読みたいと思ったが、いろいろ出ていてどれを読めばいいかわからない。
読了日:7月7日 著者:唯川 恵





家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)家畜人ヤプー〈第1巻〉 (幻冬舎アウトロー文庫)感想
  SF小説でありSM小説でもあり、沼正三という作者の正体が謎という都市伝説みたいな小説。一巻だからかやたらと別世界の言語、風俗などの世界観の注釈が多くてそれを読むのが大変。でも、話の筋は面白いのでそこらへん飛ばして読んでいってもいいかもしれない。女尊男卑の社会、旧日本人を便器代わりに使うなど、悪趣味だけで構成されているような小説だけど、社会風刺的にはスウィフトの『ガリバー旅行記』に近くておもしろい。続きも読もう。
読了日:7月29日 著者:沼 正三





クロス×レガリア  海神の遺産 (角川スニーカー文庫)クロス×レガリア 海神の遺産 (角川スニーカー文庫)感想
  巨人との戦いということで、戦闘シーンの迫力は見どころだった。戦闘もかつて敵だったキャラが、新たなより強大な敵の出現によって味方になっていく展開は『ドラゴンボール』っぽくてすこし燃える。馳朗と人工知能カエアンとの関係性が良い感じ。
読了日:7月10日 著者:三田 誠





STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐    哀心迷図のバベル (富士見ドラゴンブック)STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐ 哀心迷図のバベル (富士見ドラゴンブック)感想
  ドラマCDのノベライズとのこと。牧瀬紅莉栖(助手)視点で物語の終盤が書かれている。角川スニーカー文庫版の三輪清宗さんが書いているのも紅莉栖視点なので、内容がほぼ同じになってしまっている。それでも結末はわかっているものの過程は忘れていたので楽しめた。イラストがまったく違っていて、最後の紅莉栖のイラストは特に可愛くて、エロい!フェイリスはエッジが効いていてなかなか良いキャラしているなぁ。
読了日:7月18日 著者:明時 士栄





パーク・ライフ (文春文庫)パーク・ライフ (文春文庫)感想
  日比谷公園に行きたくなるねって、くらいしか感想がない。あまりにも日常過ぎないか。ちっとも面白くない文章しか書けないのにマメに毎日日記を付けている人の日記を読んでいるような気分。目の前に文字しかない。
読了日:7月17日 著者:吉田 修一







■ノンフィクション


原子爆弾とジョーカーなき世界 (ダ・ヴィンチブックス)原子爆弾とジョーカーなき世界 (ダ・ヴィンチブックス)感想
  本の月刊誌『ダ・ヴィンチ』に連載されている宇野常寛さんの批評的コラムなどをまとめた本。誌上では文字の背景に写真みたいな背景が飾られていて綺麗だったのだけど、単行本では背景が真っ白でちょっともったいない。外装は好みだが。宇野さんの批評は鋭いところがあって興味が向くのだけど、最近は特に、政治とかAKBとかに話を持っていきすぎたり、マイナーなものを発掘するよりメジャーなものに乗っかっていく傾向があって、これを読んでいてそろそろ趣味の違いがきつくなってきたと感じた。ノーラン版『バットマン』はせいぜい凡作だろうに。
読了日:7月29日 著者:宇野常寛





生き延びるためのラカン (ちくま文庫)生き延びるためのラカン (ちくま文庫)感想
  著者はなかば冗談で「日本一わかりやすいラカン入門」を目指したそうだけど、実際かなりわかりやすいと思う。それでも、ラカンの思想自体が難しくてすべて理解できるわけではなかった。フロイトラカンという流れの精神分析的なものの考えは、ほぼ絶対にただ生きていたら思いつかないものの捉え方みたいなもので、その思考方法によって常識を覆される気分が爽快でさえある。大学生の頃に独学で学んでいた構造主義周辺の話もでてきて懐かしかった。シニフィアンシニフィエなど。
読了日:7月29日 著者:斎藤 環





アベノミクスの真実アベノミクスの真実感想
  アベノミクス推進派の本。ぼくは政治以上に経済には疎いとおもう。分かりやすい文章でアベノミクスの内容、効果や経済の仕組みについて説明されているのだけど、じぶんに基礎がないものだからそれでも人に説明したりここに書けるほど理解はできていない。知らないからこそ読んだ意味はあっただろう。これは推進派の本なので、否定派の本も一冊は読んでバランスを取りたいところ。経済はけっきょく、教育などの文化にも繋がるものであって、それについても少し書かれていて、やっぱり軽視はまずいなと気付かされた。
読了日:7月19日 著者:本田 悦朗





密教的生活のすすめ (幻冬舎新書)密教的生活のすすめ (幻冬舎新書)感想
  「密教的生活のすすめ」というタイトルの通り、実践的に密教を生活に取り込もうという本でもあり密教の入門書でもある。本格的修行の準備体操のような素人でもできる修行やマンダラ塗り絵が紹介されている。仏教と密教の区別はまだ難しいけど、宗教と言っても心の持ちようとして「誰かのため」という意識は大切にしたいと思った。朝の満員電車でブッダの晩年や最期について読んでいて少し感動した…。手軽に読める良書。
読了日:7月13日 著者:正木 晃





かみにえともじかみにえともじ感想
  本谷有希子の考えることは変。『モーニング』に連載されていた本谷さんのコラム。榎本俊二さんのイラスト付き。ときどきめちゃくちゃ笑える。基本的に考えていることが変で、妄想が多い。榎本さんがキャラクター化した「もとやちゃん」が可愛い。本人も可愛い。
読了日:7月11日 著者:本谷 有希子





縄文学への道 (NHKブックス)縄文学への道 (NHKブックス)感想
  縄文文化というのは奥深くて興味がわく。未だ謎の部分が多くて、想像の余地があるというのもあるだろうけど。(縄文時代に限らないかもしれないが)その代わり、新発見によって教科書に載っているような「常識」や「歴史」がすぐに覆ってしまうような印象があり、この1996年に刊行された本も情報として古い部分があるのかもしれない。まあそれでも、縄文文化入門であり小学生の頃に社会科の授業で習ったような内容を思い出す。その頃の知識なんてほとんど覚えていない。授業の一環として、土器を焼いたり黒曜石で矢じりを作った記憶がある。
読了日:7月30日 著者:小山 修三





読書メーター




さだめ (河出文庫)

さだめ (河出文庫)

奇蹟のようなこと (幻冬舎文庫)

奇蹟のようなこと (幻冬舎文庫)

モンスター (幻冬舎文庫)

モンスター (幻冬舎文庫)

生き延びるためのラカン (ちくま文庫)

生き延びるためのラカン (ちくま文庫)

密教的生活のすすめ (幻冬舎新書)

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