http://www.taro-okamoto.or.jp/
この間、岡本太郎記念館に行ってきた。表参道駅から徒歩8分。すこし遠い。でも、駅周辺はすごく賑わっているけれど記念館ちかくは住宅も増えてきて人通りがすくなくいいかんじの場所となってる。根津美術館のすぐ近く。根津美術館はすごく広くて庭園がよさそうなので機会があれば行ってみたい。
岡本太郎記念館は美術館というほどの大きさではなく、大きめの一軒家というかんじの大きさだった。展示されている作品の数もそんなに多くなく、ぜんぶ見るのに30分もかからないかもしれない。
ただ、中では30分くらいのドキュメンタリーのDVDが上映されていてそれを観るとけっこう時間がかかる。ぼくはそれをほぼ最初からぜんぶ観てきた。岡本太郎のことをそんなに知らないぼくにとっては、なかなか面白い内容だった。
ドキュメンタリーのなかでは縄文土器や沖縄の伝統的な工芸品に影響を受けていると語られていて、そう言われてみて改めて作品を眺めてみるとたしかに土器とか埴輪とかに似ていることに気づく。原子的な造形だからこそ気持ち悪くもあるけれども魅力的でもあるように見えるのかもしれない。
あと、大阪万博に展示された『太陽の塔』は人がなかに入っていろいろと体験するものだと初めて知った。中に入れることを全く知らなかった。ぼくにとって『太陽の塔』といえば浦沢直樹の『20世紀少年』で、岡本太郎という存在を意識し始めたきっかけはこれだとおもう。あの得体の知れない変な顔面の付いた建造物のインパクトは頭に残り続ける。
『太陽の塔』のつぎに岡本太郎の印象となっているのは渋谷駅の井の頭線改札近くにドデカく壁に貼り付けられている『明日の神話』だ。これの前はたまに通るので、なんども見たことがある。人通りが多いあの場所に、地獄絵図みたいな絵が壁画みたいに飾られているのは変な光景でけっこう好きだ。
岡本太郎は公共アートとして作品をよく出しているイメージがあって、そこが岡本太郎を好きな理由の一つだ。公共の場にポツンとでもドドンとでもそれがあるというのは、無料で、通りすがりで、待ち合わせで居合わせているだけでも観賞できるということであって、ある意味で無価値な芸術として存在していることが面白いとおもう。
金で買う物でもなく、所有者は団体とかでいるのだろうけれどその影は薄く、万人に共有される芸術。造形物が街の一部になったりもしていて、理由はあまりうまく言えないけれどなんかああいう発表方法が好きだ。
ドキュメンタリーの中で岡本太郎が「中世以降の芸術はぜんぶダメ」みたいなことも言っていて、すごく意外な言葉だったのでその意図が気になった。
始めと最後の二枚の写真は記念館の庭に設置されていたもの。沖縄の工芸品みたいでもあるし、ぼくなんかはジブリアニメの『もののけ姫』に出てくるシシガミ様やこだまを思い出す。
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2006/12/21
- メディア: DVD
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
今日の芸術―時代を創造するものは誰か (光文社知恵の森文庫)
- 作者: 岡本太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1999/03
- メディア: 文庫
- 購入: 12人 クリック: 126回
- この商品を含むブログ (139件) を見る