sibafutukuri

音響系音楽、文学、アニメ、映画あるいはゲームの感想、攻略などについて書こうかなとおもっています。

釘を静かに打つ

スポンサードリンク


冬は日が暮れるのが早い
五時にはまだ暗く五時にはもう暗い
家に閉じ込められる曇りの天気である
世間の価値観と自身の価値観の歪みに精神がはまり
いまは折曲がった金属棒のようなこころで
ところで世間とはなんなのかといえば
常識のことだろう
常識といえば俺のなかの常識だ
常識は理想だ
こうなりたいというよりも
こうなるべきという理想
木目に釘がうまく刺さらない
曲がった釘は熱して真っすぐにできる
しかし木目と合うとは限らない
噛み尽くされたガムのような気分なので
静かに活字に釘を打ちたい
ある本の「最高の虚構」という章を読んだ
ちなみに次の章は「剥製の梟」だ
剥製もまた虚構である
ところで虚構に最高も最低もあるのか
といえばあるのだろう
俺の濁った視界よりも粗悪な写真
俺の濁った視界よりも綺麗な写真
駄目な梟の剥製
生命な梟の剥製
そういう両方があるだろうから
虚構に最高も最低もあるのだろう
静かに活字に釘を打つといっても
目の前のスピーカーからは音が出る
Songraphieによるもの
名前はどうでもいい
名前は記号だ
記号は名前でもある
記号をより名前にするのは理解ある者だ
Songraphieは多く理解されないのでより記号だ
理解されれば意味内容が汲まれより名前になる
これはノイズ
もしくはノイズとビート
ノイズはふつう届かない
ノイズはノイズとして届くが
メロディを認められない
しかしメロディを感じる
かすかに静かに
だから静かに釘を打てる
ノイズはだいたい届かない
ページの上の活字の上に釘を打つ
一文字一文字ではなく粗く
それは気ままに
時に釘は折曲がる
エクリチュールという声の木目に合わず
読者の持つ釘が悪い
錆がついていたり
磨かれた釘が丁度良い
最高の虚構に適う最高の釘
錆びた釘は黴が生えた木にさせばいい
ページに折れ曲がった釘を打ち込むことも
できなくはない
金槌でおもいきり打ち込めば横に
ひしげた釘が埋まる
そのまま本を閉じてもいい
これは立派な建物にはならないよ
でも次に開いたときに抜けばいい
次こそ静かに釘を打てばいい
言語は言ってしまえば虚構だろう
ルールは虚構だ
言語のルールはラングとも言うが
それが虚構だ
ルールの中で生きるのはゲームだ
サッカーはルールがあってサッカーだ
「最高の虚構」を読んでも
最高の虚構がなんのことかわからなかったが
みんなを支配している言語が
最高の虚構ということもあり得る
意外にこれは悪くない
つまらないけれども悪くはない
でも言語はおもしろい
噛み尽くされて疲れたガムも悪くはない
惰性の味を知れるので

  スポンサードリンク