『ダークナイト』(2008)。たぶんバットマンシリーズの最新作。世間では割と絶賛されている映画。
私はこれを観るための教養を持っていなかった。バットマンシリーズやアメコミは普段あまり観たり読んだりしないから、そのせいだろう。もはや、映画を観る教養もないかもしれないが。
この映画の実際の上映時間は152分だが、観ていると三時間くらいに感じてしまうほどに冗長な映画だった。それは、本作に登場するバットマンの優柔不断さにイライラしていたせいもあるだろうが。
これはリアル路線を目指した作品なのだろうし、『みんなのシネマレビュー』というサイトのレビューにも「リアル」であることを褒めているものがいつくかある。が、その「リアル」というのは他のバットマン作品やアメコミ作品と比較してのリアルであり、アニメや漫画的なとんでも設定のない一般の小説などを原作とした映画と比べてみると、所詮は漫画的世界観でしかない。初代『ガンダム』が、アニメだからリアルだと錯覚してしまうのに似ているように思える。
この脚本のままアニメで作られていたら、「リアル」とは言えたかもしれないが、実写でコウモリマスクを被っていたりする世界で、リアルとかそういう狙いは見当違いだと思ってしまう。この作品に「ダーク」という形容はまだ理解できるが、「シリアス」とか「リアル」はどこかおかしい。こういう中途半端な映画を作るくらいなら、アニメで作ってほしい。といっても、アメリカ産のアニメでシリアスであったりリアルな物語を見せられるか、といえばそれは難しいだろうが。
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