Marcel Duchamp - Anemic Cinema
これはマルセル・デュシャンの映像作品、らしきもの。この映像に関して、Wikipediaにも情報がないし、ネットを探ってもあまり情報が見当たらないのでよくわからないが、Youtubeなどには別バージョンがいつくかあるから、デュシャンの作品なのだろう。
ここに載せた動画には誰のものか分からない音楽が付いているが、他の動画では音楽自体がない無音のものもあるし、全く別の音楽が付けられているものもある。よくわからない。
とにかく、このバージョンの何の変哲もないギターによる音楽が大好きだ。私自身もギターでこういう素人くさいものを弾いて遊ぶことがあり、それにとても近いから心地よい。これを聴いていると、自分がいまギターを弾いているんじゃないか、と錯覚してしまう。握っているのは酒の空き缶だけなのに。実際、この曲は素人が作って映像に添えただけなのかもしれないが、誰がつくったにしろ素敵な音響である。また、この奇怪にグルグル回り続ける映像ととても調和しているようにおもえて、映像も音響もともに終わりがこないものに思えてくる。
疲労と寝不足により、凝り固まった肩や首などを持つ身体へ、アルコールをすこし入れたことにより意識が朦朧としてきて、‘Anemic Cinema’を椅子の上でだらしなくずれて座りながら、足を前に伸ばし切って画面を呆然とながめ終わりのないアルペジオとともに在る。身体は時間がひどく延長しているように感じる。騙し絵の渦巻きは私をそば粉のかたまりみたいに、麺棒で引き延ばしていく。そしてアルペジオで刻まれる。
はやく、刻んでいただきたい
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