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『ヨブ記』を読む

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  私は、Le Petit Prince(星の王子様)を捜すために、『ヨブ記』を読み始める。数ヶ月前に読んだ北欧神話の本でもそうだったが、神話特有の語り口が懐かしく、そして目につく。やはり、昔話の語り口ともかなり似通っていると思わさせられる。

  「ヨブの試練、第一回」には以下の文がある。「ヨブのところに一人の使者がやって来て言った(略)私一人が難を逃れて、あなたにご報告します。この者がまだ話し終えない内に、もう一人が来て言った、(略)私一人が難を逃れて、あなたにご報告します。この者がまだ話し終えない内に、もう一人が来て言った、(略)私一人が難を逃れて、あなたにご報告します。そこでヨブは立ち上がり、その着物を裂き、頭髪を剃り、地に伏し、拝して言った、(略)」。こういう語り口に、私たちは子供の頃にどこかで出会っているはずだ。そして、この構造が懐かしくてたまらないにちがいない。

  「そこでヤハウェはサタンに言った、『君はどこから来たかね。』サタンはヤハウェに答えて言った、『地上を巡回し、そのあちこちを歩き回って来ました』。ヤハウェはサタンに言った、(略)」。儀式めいたこの会話のやりとりに、私は魅力を覚える。

(引用は『<旧約聖書 XII> ヨブ記 箴言』(岩波書店)より)

旧約聖書〈12〉ヨブ記 箴言

旧約聖書〈12〉ヨブ記 箴言