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SPENCER(大谷友介)のプラネタリウムLIVE

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  SPENCER(大谷友介)のプラネタリウムLIVE(2010.07.28)を観に行った。東京都北区にある、北とぴあプラネタリウムホールでのライブ。オオヤユウスケと、他にピースケという人がドラムやその他楽器的なもので参加していた。演奏は微妙だった。普通に聴いていて音楽的に面白かったのは、「Free Bird」くらいだったと記憶している。

  でも、オオヤのライブというのは、私にとって演奏云々よりもそれ以前に、その土地というのも重要だとおもう。去年の夏の造形大学でのライブ*1のせいでそうおもうのだが。私にとってあれは小旅行であり、その旅行先も人里離れたような半分山の中という、素敵な土地であったから。今回の北区にある王子は、おそらく初めて行った場所だとおもう。京浜東北線で向かったのだが、その先には大宮駅があって、大宮には同じ経路で以前行ったことがあったので、その光景が見たことあるようで楽しかった。地上よりも高くに設けられた駅のプラットホームに出ると、南の方は木々が密集して森のように見えるところと、その他は高い建物がなくて、空が大きく開けていた。北の方は割と高いビルがいくつも連なっていて、空はあまり見えなかった。非日常を場所で体験すると何かしら記憶には残るのだが、それが都心部などだとあまり面白くない。だから、演奏云々以前に、なるべく地方に行ってみることがライブになる。

  会場に入る一歩手前からどこかで聴いたようなBGMが流れていた。会場に足を入れて進んだ数秒間で私も、一緒に行った友人も分かったとおもう。Brian Enoのアルバム“Ambient 1: Music For Airports”の‘1/1’が流れていた。それからライブが始まるまで、たぶん三曲目まで流れていた。このアルバムは最近はまったく聴いていたかったし、存在を忘れていたほどだったが、不意に聞こえてきてとても嬉しかった。

  今回の演奏は、前半と後半に分けられる。プラネタリウムを使う前の、照明を付けた明るい状態で、割とビートがはっきりしてクッキリした曲をやった前半。そして、プラネタリウムを使って、他の照明をほぼ消して真っ暗のなかで、空に浮かぶ星々だけが光っていて、音楽というよりも音響が在る空間の後半。後半のクライマックスにはアコギやドラムも入って、我々は夢から覚めたようだった。

  プラネタリウム中は、私は夢うつつであったし実際に数分間は眠っていたとおもう。それが気持ち良かった。ずっと、あの環境で朝まで眠っていたかった。ライブが始まるまでは、徹夜明けであることや仕事上がりの疲労感はあまり実感していなかったのだが、プラネタリウムが始まって、ふかふかとしたあの座席の背もたれを倒して、深々とイスに横たわると、身体にグッとおもしが伸し掛かるようで催眠術によって寝かせつけられるようでもあった。

  ライブが終わり、王子駅へ着いたころには、私と一緒に行った友人はナチュラルハイのようで、なんだか変にテンションが高くて危なかった。思えば、あの閉鎖された空間に、数十人の観客が集まりプラネタリウムのなかで、(既にどんなものだったかは忘れてしまったが)変な環境音が流れるなかに居るというのは異常な状態だろう。それを意図しなくとも、集団催眠を受けたような効果が我々にはあったとおもう。金縛りはレム睡眠が関係しているらしいが、それを意図的に起こさせるのが「こっくりさん」の儀式であり、ああいう催眠的なものがレム睡眠に関係するのなら、今回の体験もそれに関わるようなことなのか、と思ったりする。レム睡眠ではなくても、脳に平常とは異なるなんらかの作用はあったとおもう。

  音楽自体が、慣れ親しんでいる自分の部屋で聴いているだけでも、普段とは違う気分にさせるものではある。それが特殊な空間や複数人などで共有体験することで、もっと違うのかそれとも効果が絶大になるのかはわからないが、いつもとは異なる作用を脳に起こすことを体験できたようで面白かった。

  ライブに行くということ自体があまり好きではない。だが、あまりライブに行かないからこそ、数少ないその体験を重ねるごとに、私のライブ観や音楽観はそれに影響されていく。今回はそのどちらにも影響があるかもしれない。とにかく、異常な環境における音楽的音楽及び音響的音楽を享受する、という特殊な体験だった。
[ototoy]SPENCER特集
http://ototoy.jp/feature/index.php/20100617
SPENCER(公式サイト)
http://www.spencer-web.com/SPENCER/top.html
Brian Eno - Music For Airports

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