sibafutukuri

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エクリチュールとしてのケージ

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ジョン・ケージの本を買った。
ジョン・ケージ著作選 (ちくま学芸文庫)』

ジョン・ケージ著作選 (ちくま学芸文庫)

ジョン・ケージ著作選 (ちくま学芸文庫)


  買ってから気づいたが、この本は昨年に発売されたばかりであった。編者の小沼純一氏自身が冒頭で述べているが、「文字の配置や配列、文体までもがかなり多様なことも特徴だ」。写真を見てもらえば分かるように、多様であり異様でもある。これから読むのが楽しみだが、これは原文で読むべきなのかもしれない。
  HMVのオンラインショップで同時に他にもいろいろ買ったこともあって、他にも書きたいことがあるが今はその気持ちだけが空回りしている感じがするし、時間がないのでやめておく。
  ひとつだけ思ったことを書く。ひとつ前のエントリーで、Aphex Twinの"Richard D. James Album"で一番好きな曲は‘Fingerbib’だといったが、先ほど聴いていて思ったことがある。この曲は他のリチャの曲にも多くあるように弦楽器(具体的にはバイオリンか何か)の音が使われていて、それが抒情感を引き立て、(テクノ寄りの)エレクトロニカでありながら人間性を表現させている。私はある意味弦楽器というか楽器や音楽、クラシックという伝統などから逃げた人間であるが、感覚的にはそういった楽器の音というものに郷愁を覚えるし、この‘Fingerbib’のようにリチャの作品が「気持ち良い」という意味で好きなのは、そういった一つの所以からだと考えられるのである。弦楽器による記憶は私にとって一方で呪縛でもあるが、このノスタルジアの感覚は拭い去れ得ないだろう。