sibafutukuri

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音響の境界線-fishmans、polaris、flipper's guitar-

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  fishmansを初めて聴いた時の衝撃などが続いていて、その主観性のまま受容していた頃と比べ、今久しぶりにfishmansを冷静に聴いてみると、これが如何に音響的かということが具体的に見えてくる。以前からfishmansにしてもpolarisにしてもflipper's guitarにしても、そこにはそこらへんに転がっている阿呆の塊である音楽とは違う音響的なにかを見出してはいた。
  fishmansでいうと、アルバム『宇宙 ベスト・オブ・フィッシュマンズ [Disc 1] 』の中の「頼りない天使」の後半10秒ほどのディレイが重なり音響になる瞬間とか、「ナイトクルージング」のリバースされる高音域の電子音やミニマル的手法で繰り返されるギターの音などが如実に音響を表現している。「WALKING IN THE RHYTHM」にしても、川辺で鳴く虫の声や、歌から音響へと溶解する音や、バイオリン(ビオラ?)の弦の上を弓が走るような演奏からそれが不意にリバースされる音など、まさに音響である。再生時間が12:57と長いのもミニマルを中心としているからだろう。こういった手法は最近しっかりと聴いてみたライヒ(Riech)のものと近いし、テクノにもヒップホップにもやはり繋がるものがある。
  fishmanspolaris、flipper's guitarなどはこういった理由から音楽と音響の境界線になっている。そして、この音響は音楽として認める最大の譲歩である。また、一つの理想でもある。

宇宙 ベスト・オブ・フィッシュマンズ

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空中 ベスト・オブ・フィッシュマンズ

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