もし、列車のひと車両のなかに一人でいるとしたら。ぼくが足をかけた車両は乗車した駅からすでにガラガラだった。街から森のほうへ向く列車。つぎのつぎの駅でその車両には多く見積もっても五人しかいなかった。ぼくが把握しているだけでも三人。けれども、…
子供が歌う讃美歌のような声は、どうしてあんなにも天使だ。少年または青年でも少女のように聖域を張る歌声だ。くりくり金髪パーマでむっくりとした体に、両翼が背にはえた幼児たちが天界から降りてくる映像が脳裏で再生して照らしだし、幽体と身体が分裂し…
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